第409回 洋楽編 ―― Sebastian Bach ロックキッズの心を持ったままロックスターになった男、セバスチャン・バック
前々回、TWISTED SISTERからシンガーのディー・スナイダーが離脱し、予定されていた活動50周年のアニヴァーサリー・ツアーがキャンセルされたことを書きましたが、なんとディーの代役としてセバスチャン・バックが参加することが正式に発表されました。いやー、驚いた! 驚いたけど、ゲストを呼んだりしてやる可能性はあると思っていたし、もしそうなるとしたら、シンガーはセバスチャン・バックなんじゃないかとも思っていたので、予想が当たって驚いたという感じ。この間の原稿にも書いておけばよかったなあ。さて、今回の音楽総研は、久しぶりにセバスチャン・バックのことを書いてみましょうかね。ディー・スナイダーの代役にセバスチャンが浮かんだ理由なんかについてもあれこれと。

セバスチャン・バックは80年代から90年代にかけて大人気だったSKID ROWの元シンガーで、バンドを脱退して以降、現在までソロで活動しています。端正なルックスと情熱的なヴォーカルスタイルで、本国アメリカのみならず、ここ日本でも凄く人気がありました。SKID ROWのことは何度か音楽総研にも書いたけど、曲の良さに加えて、メンバーそれぞれの演奏やキャラクターも魅力的だったし、俺も大ファンでした。でも、俺がいちばん魅力を感じていたのがセバスチャンのヴォーカルで、そのセバスチャンが脱退してからのSKID ROWは音楽性が変わってしまったこともあって、あんまり興味がなくなっちゃいました。スウェーデン人シンガーのエリック・グロンウォールが加入した時は、これはセバスチャン以来の逸材だ! と思って期待していたんだけど、病気のために残念ながらアルバムを1枚発表しただけで脱退。今はまた新しいシンガーのオーディションをしているようだけど、以前ピンチヒッターを務めたリジー・ヘイルがHALESTORMと兼任……、なんてことはないんだろうなあ。そうなったら最高なんだけど。
SKID ROWといえばこの曲。いやー、カッコいいね。みんな若い!
セバスチャンは今回のTWISTED SISTERをはじめ、GUNS N’ ROSESやMÖTLEY CRÜEといった先輩バンドにかわいがられているイメージがあるけど、性格に少々難ありなのか、SKID ROWのメンバーたちとはどうにも上手くいかないみたいで、SKID ROWにシンガー問題が起こるたびに名前が挙がって、ファンからも期待されているのに、SKID ROW側が完全否定、というのがお約束になっている。これは俺の勝手な想像だから、本当のところはどうなのかわからないけど、セバスチャンには、彼自身がロックスターでありながらも、ロックファンというか、ロックキッズなところが残っているように見えるんだよね。憧れていたアーティストに対するリスペクトを素直に口にするし、そういうアーティストたちと共演していると凄く嬉しそうだもん。それはかわいがられるよ。SKID ROW脱退の引き金になったのも、セバスチャンが大ファンだったKISSのオープニングアクトをやるかやらないかで揉めたことだったみたいだし。
目下の最新ソロアルバムに収録。このアルバム、カッコいいよ!
彼がなかなかワイルドな人物だというのはよく知られているよね。やんちゃな後輩は先輩からしたらかわいくても、同じバンドのメンバーからしたら、やんちゃ過ぎてとても一緒にやれない、となるのかもしれない。彼らの黄金期を知っているファンからすれば、元気なうちにまた一緒にやってほしい、あなたたちにはとてつもないケミストリーがあったじゃないか、と言いたくなるんだけど、どうしてもダメな人っているよね、とも思う。俺にもいます。そんな人と無理に一緒にやってもいいものは作れないだろうし、一緒にツアーを回るなんて苦痛でしかないだろう。でもなあ……、ってしつこいね(苦笑)。SKID ROWの話はこれでおしまい!
セバスチャンによるTWISTED SISTERのカヴァー。TWISTED SISTERのエディ・オジェイダ、ルディ・サーゾ、IRON MAIDENのニコ・マクブレインに、NAZARETHのダン・マカファーティ? 凄いメンバーだ
セバスチャンはしばらくブロードウェイのミュージカルに出演していたことがあって、俺も2002年に『ロッキー・ホラー・ショー』を現地へ観に行きました。当時、海外のサイトでチケットを取るのが初めてだった俺は、同じ公演を観に行くセバスチャンのファンの方たちに教えてもらったりして、しばらくやり取りしていたんだけど、その中のひとりの女性がアメリカのツアーまで追っかけに行くような熱心なファンでね。で、その方のブログを読んでいたら、セバスチャンがTWISTED SISTERのオープニングを務めていたことがあったらしく(ディーのソロだったかも)、ディーがとにかく凄かった、と。その時に初めて俺の中でセバスチャンとディーが繋がって、彼がTWISTED SISTERの大ファンだったことも知ってね。セバスチャンとディーが共演している映像も観たし、TWISTED SISTERの曲も見事に歌いこなしていたから、今回の発表を聞いて、まず頭に浮かんだのがセバスチャンだったわけです。

ムとチケット。すんごく面白かった! いつかまた観たいなあ
ディーほどの強烈なフロントマンの代役を務めるには、歌唱力だけでなく、同じくらいの存在感がないと務まらない。そして50周年を迎えるバンドに対するリスペクトを持っている人物……となると、セバスチャンが適任だろう。ネット上では今のところ賛否両論のようだけど、ディー本人もセバスチャンにお墨付きを与えているし、他に誰かいる? いないよねえ。日本にも来てくれないかなあ……。
※ikkieのバンド、Antlionのシングルがリリースされました!
ストリーミング&ダウンロードはこちらから
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※ikkieのYouTubeチャンネルです!
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