戸田萌希 ―― 2020年東京オリンピック・スポーツクライミング応援シリーズ―2―
2015年8月にJOC(日本オリンピック委員会)で2020年東京オリンピック追加種目として新たに5競技が選定され、スポーツククライミングもその一競技として正式にIOC(国際オリンピック委員会)に提案されました。2016年8月のIOCの正式な最終決定を待つばかりです。 JOCの決定を喜び、IOCの最終決定を歓待し、さらには2020年の日本選手の目覚ましいばかりの活躍を心から応援したいものです。
そこで「VIVA ASOBIST」では「2020年東京オリンピック・スポーツクライミング応援シリーズ」と題し、日々研鑽を重ね続けるスポーツクライミングの選手に焦点をあてて、皆様にご紹介したいと願うものです。
プロフィール
戸田 萌希(とだ ほまれ)
フリークライマー
1999年(平成9年)山梨市生まれ。現役高校生!
主な戦績【国内】
2016年5月第2回ボルダリング日本ユース選手権(鳥取)優勝
2015年2月BJC(ボルダリング・ジャパンカップ)埼玉県深谷市 2位
2015年2月ノースフェイスカップ(Climb Park Bace Camp・埼玉県) 3位
2014年8月第16回JOC(ジュニアオリンピックカップ)南砺 3位(リード)
2014年3月クライミング・日本ユース選手権印西 3位(リード)
2013年8月第16回JOCジュニアオリンピックカップ大会 2位(リード)
2013年3月クライミング・日本ユース選手権(印西)8位
主な戦績【国際】
2015年11月IFSC クライミング・アジア選手権 寧波(中国)10位
2015年8月IFSC 世界ユース選手権アルコ(イタリア) 19位
さてさて「2020年東京オリンピック・スポーツクライミング応援シリーズ」のその2は前回の野中生萌さんからリレーバトンを渡された戸田萌希さん。17歳、高校2年生!バリバリ現役高校生クライマーだ!「細身で長い手足」のような、よくあるクライマー体型というより、どちらかというとガッチリ筋肉質タイプ。だから、柔軟性よりパワーで勝負!そして好きな食べ物は「肉!」…え、誰かに似てない?!
それで合点がいった。VIVA前号で野中さん は言っていた。
―東京五輪までの4年間まですぐ経ってしまいます。同時に大どんでん返しを起こす4年でもあります。下からじわじわと育ってきたジュニアが突然ブレイクしてトップに躍り出ることもあり得ます―
戸田萌希選手は、その4年間マジックを起こしそうなクライマーリストに上位エントリーであるに違いない。それでこそのバトンタッチであったのだ!
できないということが悔しい!継続を支えたのは類ない負けず嫌い!!
小玉:家族構成は?
戸田:父と母と、一歳下の妹と4人家族です。
小玉:妹さんもクライミングされるんですか?
戸田:妹は以前はやってたんですけど、途中で飽きたと言っていました。
小玉:クライミングを始めたのはいつですか?
戸田:6歳の時です。
小玉:きっかけは?
戸田:父が山梨県内のクライミングジムをネットで見つけて、「やってみるか?!」と聞かれて、やってみたいと思ったんです。
小玉:やってみてどうでしたか?
戸田:新鮮ですごく楽しかったです。
小玉:ジャングルジム的な感じ?
戸田:そうですね。
小玉:なぜ続けてみようと思ったのでしょう?
戸田:登るのが楽しかったのと、自分はすごく負けず嫌いで、できないと悔しくなってしまうんです。それでやめられなくなりました。
小玉:小・中学校の時代、部活などは何をされましたか?
戸田:中学校でハンドボール部に入りました。それが男子の部活だったんですけれど、どれか絶対部活に入らなくてはいけなくて、どの部活も土日に日程が埋まっていて、クライミングをする時間がないんです。それを1年生の時に担任の先生に相談しました。担任の先生がハンドボール部の顧問で、「じゃあ土日とか出なくていいから、俺んところで一緒に練習するか?」みたいな感じで、男子の部に特別に入れさせてもらった。
平日の筋トレとかは、男子と一緒にやって、土日は自分でクライミングをしました。
小玉:男子と一緒は、ハードでしょ?
戸田:けっこうハードでした。辛かったです。すごく走らされたし。今思えばそれも良いトレーニングでした。
小玉:ポジションとかは?
戸田:ポジションは、試合には1回だけしか出なかったので特に決められませんでした。強いて言えばサイド。
小玉:ハンドボールのキーパーはやりたくないですよね?
戸田:やりたくないです。相当、恐いです。突き指するとクライミングにも影響するし。危ない練習は外させてもらって。その間は、体幹トレーニングを個人的!にしていました。
小玉:今の高校の部活は?
戸田:一応、登山部に所属していて、でも1回も部活には出たことがないです。活動は個人的にクライミングしていました(笑)ジムが学校の近くにあるので、学校が終わったらそのままジムに直行。
小玉:どこですか?
戸田:アクティバというジムです。
小玉:ホームは、アクティバですか?
戸田:はい。
小玉:アクティバではコンペの開催がありますか?
戸田:自分が主催ではないですが、コンペには参加しています。
小玉:優勝さらっちゃうでしょ?
戸田:女性の参加があまりなくて、男子と一緒のカテゴリーなので、男子はかなりパワーがあって、それと混じっての参戦は大変です。
小玉:放課後とっとと帰って、ジムへ行っちゃうという戸田さんを見て、学友たちは何と言っていますか?
戸田:筋肉すごいんでしょ?って言われます。手、ゴツゴツだねとか。キン肉マンとかゴリラとかのあだ名を付けられます。急に腕相撲を申し込まれたり(笑)
小玉:ボルダリングやクライミングとか、友達や先生の間で、認識が高まってきましたか?
戸田:最近、県内のメディアに取材されたり、放映されたりで、少しずつ理解が深まってきています。学校にも密着取材でカメラが来るということもあったので。
小玉:放送後の反応は?
戸田:応援のメッセージがいっぱい来てありがたかったです。
小玉:今まで継続してきた原動力は?
戸田:登るのが好きっていう単純なのと、負けず嫌いなので、できないことがあると悔しいし、登った時の達成感も知っているので辞められないです。
大会に出て、勝っても負けてもモチベーションはもらえます。勝っても現状に満足したことはないし、次に向けてがんばろうという気持ちになります。