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第304回 ライヴレポート編 NEMOPHILA ―― It’s sooooo nice to finally meet you! NEMOPHILA快進撃の始まりを目撃!(後編)

前置き抜きでいきましょう! 1月9日にLINE CUBE SHIBUYAで行われたNEMOPHILAのライヴレポート、後編です! 残念ながらチケット入手は叶わず、配信での同時視聴でしたが、迫力はしっかりと伝わってきましたよ!
※前編はこちら

ライヴ中盤、「みなさんを異世界へといざないます」と始まったのは、ハラグチサン(B)作の『HYPNNOSIS』。アラビア風の妖しいサウンドに乗る幻想的な歌詞は葉月(G)が書いたという。曲調に合わせたライティングがよりムードを高める。続く『GAME OVER』は彼女たちには珍しい(?)ラヴソング。とはいえそこはNEMMOPHILA、ラヴソングであってもずっしりと重いむらたたむ(Dr)とハラグチサンのリズムが心地よく、ギターソロではSAKI(G)と葉月が切ないメロディでハーモニーを聴かせる。『Creature』はサビ前のコーラスが美しい佳曲で、なんでアルバムに入っていないのか、と不思議になるほど。英語はまったく話せないというmayu(Vo)だが、耳がいいのか、英語多めのこの曲でもいわゆるカタカナ英語ではないし、ちょっとした歌い回しも洋楽っぽくて堂に入っている。

ちょっと緊張気味に見えた葉月のMCで、2000人規模のライヴハウス、ZEPPで行われるツアー日程を発表。東京や大阪だけでなく、名古屋や、札幌、福岡でも行われるという。インディーズでファーストアルバムを発表したばかりのバンドがこの規模のツアーを行うのは快挙だ。しかもこんなにヘヴィなサウンドだよ! 凄いぞNEMOPHILA。

『HYPNOSIS』
ハラちゃんいい曲書くなあ……

タテノリのハネるリフが特徴的な『MONSTERS』はNEMOPHILA流の音楽賛歌だろうか、歌詞にはポジティヴなフレーズが並ぶ。間髪入れずに続いた『Change the World』はリズム隊の疾走感と「Oh,Oh,」のコーラスが気持ちいい。これ、コロナ禍じゃなければ大合唱必至のはず。そして、(この曲に限らずだが)SAKIのソロを弾く姿が実にカッコよく、見惚れてしまう。SAKIはほんとに絵になるなあ……。続いて、7弦ギターならではのヘヴィでブルータルなリフで『DISSENSION』がスタート。この曲でのmayuのスクリームは、ゴリゴリの曲調もあってかYOUTHQUAKEのHIYORIを思い出した。ライヴ終盤でもしっかりとこの声を保っているのは凄い!

「まだ終わらせないぞー!」と、バンドはファーストシングル『OIRAN』をプレイ。疾走感と和風な世界観が混在するというNEMOPHILAならではの楽曲を火柱が演出。これは会場にいたら興奮しただろうなあ……。そしてなぜか、このヘヴィな曲で俺の涙腺が崩壊。演奏の素晴らしさや、演出の素晴らしさももちろんなんだけど、長いこと音楽をやっていてステージの裏側も少なからず知っている身としては、このステージに至るまでの道のりや、メンバーが感じているであろう高揚感なんかを想像して、一人で勝手に感極まってしまったのです。……歳とって単に涙腺がゆるくなっているだけかもしれないけども。

『DISSENSION』
この曲のAメロ、ほんとHIYORIさん思い出すんだよな……。 そして本文ではSAKI推しな感じになってるけど、葉月のギターも凄い!

大盛り上がりのまま本編は終了し、コロナ禍で声を出せない観客達は拍手でアンコールを求める。配信組はツイートでアンコール! 5分ほど焦らされたあとにメンバーが登場し、満面の笑顔で客席とカメラに手を振る。そして、二人のギタリストがタッピングでハモるイントロが印象的な『Life』がスタート。専門学校時代からの友人同士だというmayuとハラグチさんが並んで目を合わせ、笑いあう姿にグッときてしまった。間奏ではSAKIと葉月がそれぞれ違うメロディを奏でながら、時にハーモニーを重ね、スケールの大きなソロを構築。NEMOPHILAはどの曲もアレンジが凝っていて、聴き応え十分だ。切なくもぬくもりのあるメロディにまたしても涙腺崩壊していると、感極まってしまったのか、mayuの声がかすれてしまう。プロとしては歌いきってほしいところかもしれないけど、今回はそれもまた良し! mayuはフロントマンとしてここまでしっかりとこの日のステージを引っ張っていた。エモーショナルな『Life』が終わり、なにかカヴァーソングもやってくれないかな、と期待したけど、残念ながらライヴはここで終了……。アルバム未収録の曲も含めてオリジナルだけで17曲、アルバムがまだ一枚しかないバンドとしては、十分に聴かせてくれたんじゃないかな。

『Life』
名曲! mayuいい声だな……

この日のライヴにはとにかく勢いがあって、ヘヴィかつラウドな楽曲が揃ったセットリストながらも、清々しさすら感じた。そして、おそらくこれからもっと大きくなっていくであろうバンドのスタートを目撃していることに、興奮も覚えた。今回の会場となったLINE CUBE SHIBUYAや、ツアーで回るZEPPも大きな会場だけど、NEMOPHILAならそれよりももっと大きな会場……、それこそ武道館だって夢じゃないだろう。その可能性も存分に感じさせてくれた、素晴らしいライヴだった!

(本文敬称略)

2022.1.9 LINE CUBE SHIBUYA セットリスト

  1. 鬼灯
  2. 雷霆-RAITEI-
  3. SORAI
  4. Night Flight
  5. Breaking Out
  6. REVIVE
  7. Blooming
  8. Fighter
  9. Rollin’ Rollin’
  10. HYPNNOSIS
  11. GAME OVER
  12. Creature
  13. MONSTERS
  14. Change the World
  15. DISSENSION
  16. OIRAN

Encore

  1. Life

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