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勝手に植物図鑑

イチヨウラン

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草花縁は人の縁

2018年6月4日夕方、夏沢鉱泉に入った。翌日硫黄へ上がり縦走して赤岳へ至り、文三郎尾根を下る予定だ。
受付に当たってくれたおねえさんとこの度の山行について話をしていて、草花の話しになった。私の大好き度が伝わったのか「イチヨウランて見たことあります?」「いえ、まだないんです」となり、ついに生地へ案内してもらった。

小屋の裏山?の林下にひっそりと咲いていた。もし、そこにイチヨウランがあるのを知らずに、たまたまそこを通りかかったとしたら、どんなに草花好きだとしても必ず見出せたかどうかは大いに疑問。周りと同化していて、あたかも気配を押し殺しているような先姿だ。

「ここですよ」
近づいて一目見て、そのいじらしく愛らしいいでたちに魅入られた。
この日は着いて風呂してご飯したら終わり、なつもりだったから、思いもかけない出会いに此度の山行の幸多きを予感してハピハピ気分だった。

早朝出かけるので玄関先に降りていったらお茶の用意がしてあり、添えられたメモには昨日の場所とは別の登山道で見いだせるイチヨウランの生息場所が記されていた。
「咲いているとすれば橋を渡って〇○の…etc」

目を皿のようにしてきょろきょろ、探しながら歩いたが、ついに見つからなかった。まだ咲いてなかったのか、見つけきらなかったのか、ひょっとすると「昨日見たかた今日はもういいでしょ!」とうつむいて、声をかけてくれなかったのかもしれない。

草花の縁はすなわち人の縁なのだ、としみじみ…

花期は5月から7月

撮影年月日 2018/06/04
撮影場所 南八ヶ岳
学名 キジカクシ目OROCHIDACEAE Dactylostalix ringens
科目・属 キジカクシ目ラン科イチヨウラン属
季節
生育地 深山の林内に生える多年草
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