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勝手に植物図鑑

トウヤクリンドウ

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夏の名残の…

2012年8月4日に剣山荘に入って、翌早朝3時に出発、剣岳・源次郎尾根を上がった。2010年にトライしようとして、真砂沢ロッジを目前で雪面に足を滑らせ、左膝の内側の筋を痛めてしまい、翌日、室堂に戻るのでさえ大変だった。2011年には1度ならず2度も行こうとして天候に恵まれず断念した。だから、天気がよさそうと知って、どんなにか胸が鳴った。

いやー、キツイのなんの。聞きしに勝るハードルート。第1峰にたどり着くころには、もうヘトヘト、息も絶え絶え。2峰から懸垂したら、もうアウト。登頂した時はしんどくて泣きそうになった。それから剣山荘への長い長い下りは、もうヘロヘロは言うに及ばずだ。

道すがら、シナノキンバイやらヨツバシオガマ、エゾシオガマ。ハクサンイチゲ、チングルマ、チシマギキョウetc…そしてトウヤクリンドウも。数えきれない多種多様な花々にチラリ視線を泳がすも、うっとり愛でるゆとりもなく、ましてや撮る暇などあろうはずもなかった。

実はその翌日は長次郎の左俣をやる予定だったのだが、とんでもないことだった。そんな根性も、いわんや体力も、どこにも残ってはいない。剣山荘から剣御前へ上がり、稜線を伝って御前小屋へ降りた。一休みする間もなく、カメラを持った。生まれて初めてトウヤクリンドウに会ったのも、忘れもしない、この御前小屋周辺だったから、探すまでもなかった。

後ろに剣沢の雪渓を背にして、もう10日もすれば、このあたりも少なからず秋の気配だと、トウヤクリンドウは伝えていた。

撮影年月日 2012/08/06
撮影場所 剣岳/富山県
学名 Gentianaceae gentiana algda
科目・属 リンドウ科リンドウ属
季節
生育地 高山の砂礫地や乾いた草地
分布 北(羊蹄山、大雪山系)、本(月山、尾瀬、関東地方北部、中部地方)