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勝手に植物図鑑

シラネアオイ

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学者様ではありますまいよ

室堂からトロリーバスとロープウェイを乗り継いだ黒部平。乗降口スペースに入る直前、下を見ていたら自然公園風情な隅にシラネアオイがたくさん見えた。黒部湖へ降りるケーブルまであと10分足らず。急いで見にいった。

今年は山行すがら何度かシラネアオイをみかけたが、いつも撮る段にはとてもならない状況だった。ここなら存分に撮れる。間違いなく自生地から移植したものだろうだけあって、環境整備の行き届いたところでは、かくも花は大きく可愛らしい。
野生種はもう少し青みがかっていて、花も小さめ。醸し出すムードが楚々としてしかも妖で、実に美しい。

日本の被子植物の中で唯一の1科1属1種の日本固有種だとか。日光白根山に多く見られかつてはキンポウゲ科と分類されていたのがなぜそうなったのかは、なんでも分子系統学の分野の話しだそうで、それは生物が進化してきた道筋を理解しようとする学問であるらしい。

いつも思うんだが…
ここで、ただ「ふーん」で終わらせず突き詰めるスピリットを持ち合わせていたら、きっと学者様になっていただろう。

ま、強いて「なりたかった」わけは毛頭ないが…
いや、負け惜しみでもないからね。ほんと!

花期は5月~7月

撮影年月日 2011/06/20
撮影場所 黒部平:富山県・黒部立山アルペンルート
学名 GLAUCIDIACEAE Glaucium palmatum
科目・属 シラネアオイ科シラネアオイ属
季節
生育地 低山帯から亜高山帯の林内や林縁に生える多年草
分布 北、本(東北地方、関東から中部地方の日本海側)。日本固有