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勝手に植物図鑑

ホソバトリカブト

蛇の棲家に「ごめんあっさっせ」!

ヤマトリカブトのつもりで撮った。図鑑で確かめたら「なんか違う感じ」。葉の形状と質感がヤマトリカブトとは異なって感じる。

決め手は山渓ハンディ図鑑「高山に咲く花」。同書の分布の記述を以てして同定した。あまりにもピッタンコだ。まさしく利根川源流域の碑を後にして丹後山避難小屋へ引き返す途中で見つけたのだから。
細い山道のまあ言えば谷側は背丈を越えそうな熊笹が生い茂っていて、ホソバトリカブトは熊笹に負けじと、青空に向かって首を伸ばして咲いていた。

ところで、この帰り道何度「ギャーッ!!!」と思わず叫んだことか!短い帰り道の間に4回も蛇に出くわした。足を踏み出そうとした50センチほど先にニョロリとやられたら、そりゃあびっくり仰天、恐怖で凍りつく。
多分伸ばせば80センチほどのグレーのキャツもキャツとて縄張りに侵入してきた招かれざる珍?!客にさも驚いてすたこらさっさ、スルスルと熊笹の茂みに紛れ込んでいった。
折も折り、陽も傾き気温も適度に下がり夕食餌を求めて活動開始時だったと見える。湿原に生息する小生物を探しに熊笹の棲家から抜け出してきたに違いない。
*熊笹ヶ原に囲まれるように湿原が広がっているらしく「立ち入り禁止」の標識が見える。

ニョロスケに遭遇した後に熊笹の茂みに足を踏み入れてホソバトリカブトを撮るのはマジ怖かった。

花期は8月から9月

撮影年月日 2017/09/09
撮影場所 丹後山(利根川源流域)
学名 RANUNCULACEAE Aconitum sennanenae
科目・属 キンポウゲ科トリカブト属
季節
生育地 亜高山から高山の草地に生える多年草
分布 本州(谷川山系、利根川源流域、野反、日光白根山、北アルプス北部、中央アルプス北部、八ヶ岳、南アルプス)日本固有