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勝手に植物図鑑

シモバシラ

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草花の名の覚え方…

初冬のころ、枯れ始めた茎の根元から霜柱のような氷柱が立つところから、この名がついたのだとか。

梅雨の晴れ間に陣馬山から高尾山まで歩いた。
景信山から小仏峠を経て城山に下りていく山道脇でシオバシラを見つけた。
春は植生豊かな高尾・奥多摩も、もうこの時期、草花は終わっている。歩いていて見かけるのはガクアジサイやウツギばかりで、タマアジサイがたくさんまあるいツボミを付けているぐらいだから、シモバシラを見つけて喜んだ。

熱心に撮っていたら、通りがかりの女性が
「シモバシラの…花ね~」
と聞こえるともなくつぶやくように言った。
あ、草花好きなんだな、と同好の志らしきを感じて嬉しかった。だし「なんだっけな?これ」と思いながらだったから助かった。帰って図鑑を調べたら、ちゃんと一致していた。

あの時の女性にどこかでもう一度会ったとしても、到底わからないだろうけれど、「シモバシラの…花ね~」とつぶやいた声はかすかに耳に残っている。

次にこの花を見かけても、もう「なんだっけ?」にはきっとならない。知ってはいても咄嗟に出てこない花の名前も多いけれど、これは度忘れしないリスト入りだな~と思う。

花期は9月から10月

撮影年月日 2015/07/12
撮影場所 小仏峠から城山に至る山道
学名 LABIATAE Keiskea japonica
科目・属 シソ科シモバシラ属
季節
生育地 山地の木陰に生える多年草
分布 本州(関東地方以西)、四国、九州