1. HOME
  2. 連載・コラム
  3. 勝手に植物図鑑
  4. オヤマボクチ
勝手に植物図鑑

オヤマボクチ

ヤマゴボウ賛歌!

ようやくその姿を掌中にした。
山行の道すがら、何度か見かけたが、「撮るゆとりなし」「ピントが!」「撮れたと思ったら、違う種だった」などなどだったから、この度の邂逅は何とも嬉しい。
念のため図鑑で調べたら、ハバヤマボクチというのがそっくりで、一瞬「またか!」と暗い?!気持ちになったが、葉の形状で断定的にオヤマボクチと同定できた。
ああ、よかった~

10月5日、6日は三ツ峠でマルチクライミング。
のはずだったが、5日は天気予報通り雨。降られながらの入山。6日、天気回復を期待したが、予報に反して朝から雨!
ようやくお昼前に雨が上がったので、そぞろ岩場に出向いた。四季楽園から岩場に降りる急坂沿いに何体も見つけた。

葉の裏に白い毛が密生していて昔はこれを集めて火打ち石の火花を移しとる火口(ホクチ)にしたことがこの名前の由来。

若葉はヨモギのかわりに餅に入れる。根も食べられる。山菜として「ヤマゴボウ」と称され、長野県飯山市富倉地方では古くから葉の繊維を蕎麦のつなぎとして使われる。現在では栽培もしている。

実際に富倉蕎麦として提供しているお店も、長野県内にはたくさんあり、「ヤマゴボウをつなぎに使った色の濃いそばは、そば粉の味が変わらず、十割そばの香りと、つなぎ入りそばの喉ごしの良さを同時に味わえ、シコシコとした独特の歯触りがある」んだとか。

食べてみたいね~

では、いわゆる八百屋(八百屋とか知ってる?!)に並んだ食用の「ごぼう」さんは、どうか?というと、これもまたキク科で、こちらの方がむしろ、まさしく「アザミ」な花をつける。あの煮物にする「ごぼう」さんからは、知らなければイメージし難いきれいな花姿だ。

ちなみに、なぜそんなことを知っているかというと、ずっと以前家庭菜園をやっていた時、肥料になるかと、台所の野菜くずを畑の隅に埋けておいたら、ほんの削いだ皮から芽が出て、花が咲くまでに育ったのだった。

あ、余談でしたね~
でも、それ聞くと、ヤマゴボウの花姿が妙に納得できません?

花期は9月から10月

撮影年月日 2013/10/06
撮影場所 山梨県都留市三ツ峠山・四季楽園周辺
学名 COMPOSITAE Synurus pungens
科目・属 キク科ヤマボクチ属
季節
生育地 日当たりのよい山野に生える多年草
分布 北、本(青森県~岐阜県)、四