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勝手に植物図鑑

チゴユリ

林の間をどこまでも…

翌日の「八ヶ岳倶楽部」の取材を睨んで、小淵沢の奥のペンション「あるびおん」に前泊した。剣・八つ峰山行から下山、扇沢からガイドさんに車で送ってもらった。

「あらあら、お疲れ様。ゆっくりお部屋でお休みください」
ペンションのママはそう言って迎えてくれたが、実は心底くたくたで、部屋に入ってゆっくりしたら、ほんとに眠りこけてしまいそうだったので、散歩に出かけることにした。

車の往来も少ない、めったに人の行き来もない林の間を抜ける道を行き、表通りからそれた細道の枯葉敷きの上を歩いた。

たいそうなチゴユリの群生を何度か見かけた。林縁下に白い小花が無数に咲き揃う様は可愛らしく、口々に何かささやき合っているようにも伺え、賑々しさが如何にも微笑ましい。

翌日、八ヶ岳倶楽部にお邪魔したのだが、その雑木林のチゴユリの群生はまだ、ほんのチラホラしか咲いている個体は見つからなかった。ほんの少しの標高の違いが生み出す環境差がなせる業なのだろう。

時折小鳥のさえずりに耳を傾けながら歩いていると、ともすれば静寂な林間の道をどこまでも行ってしまいそうになる。
険しく厳しい山行もいいが、こんな心地よいそぞろ歩きもたまにはいいかもしれない。

撮影年月日 2013/05/13
撮影場所 北杜市小淵沢町
学名 Lliaecae disporum smilacinum
科目・属 ユリ科チゴユリ属
季節
生育地 山野の林内
分布 本、四、九