第193回 ライヴレポート編 NIGHT RANGER ―― 最強のライヴバンド、3年ぶりの来日公演はデビュー35周年記念!
10月8日と9日の2日間、NIGHT RANGERのライヴを観てきました! 前回からちょうど3年ぶりの今回は、彼らのデビュー35周年記念ライヴということで、グレイテストヒッツ的なセットリストになるとの発表が事前にあったけど、NIGHT RANGERはどの時期でも名曲が揃っているし、わざわざそんなことを謳わなくてもグレイテストヒッツになるのにね……。今回の音楽総研は東京公演の初日、10月8日のライヴレポートをお届け!
新作のオープニングトラック。新作は過去の作品に引けをとらない充実っぷりです。 ぜひともみんなに聴いてもらいたいなあ。
会場のTOKYO DOME CITYホールへ行くのは初めてだったんだけど、横長のアリーナに、3階席までバルコニー席があって、海外の会場のような雰囲気。定刻の17時を少し回ると、大音量でAC/DCの『You Shook Me All Night Long』が流れ、照明が暗転! そして、『(You Can Still)Rock in America』をシンフォニックにアレンジしたSEをバックに、「All Right Tokyo! Please Welcome, NIGHT RANGER!」と、野太い声のアナウンスがライヴのスタートを告げる。オープニングは新作から『Somehow Someway』だ! 疾走感のあるNIGHT RANGERらしいロックチューンに、客席は大きな歓声で応える。前回のツアーから正式加入したケリ・ケリー(G)は前回以上にバンドに馴染んでいて、ギターソロではブラッド・ギルス(G)とのハーモニーがさっそく登場。これぞNIGHT RANGERだ!
『Four in the Morning』、『Sing Me Away』と名曲を畳み掛けるようにプレイし、ジャック・ブレイズ(Vo,B)からあらためてファンへ挨拶。「今日は俺たちの日本での59回目のショウなんだよ! ……あれ、チョットマッテ! 58回目だ。59回目は明日だね」と、ボケなのか本気なのかわからないMCで和んだ後は、『Rumours in the Air』。こういうマイナーキーで、切なさと激しさをあわせ持った曲もNIGHT RANGERの魅力。客席にオジー・オズボーンのTシャツを着た人がいたのか、ベースとドラムで『Crazy Train』をちょろっとプレイ、「違うバンドの曲だよ!」と笑いを取ることを忘れないジャック。そして、ケリーがドラムセットを離れて、ハンドマイクで『Sentimental Street』を熱唱。今年、病気療養のために一時離脱したというニュースを聞いた時は心配したけど、元気そうで安心した。
わたくしのフェイヴァリットソングです。 これは再結成後の映像かな?
前作から唯一プレイされた『High Road』では、前回のライヴと同様にジャックが掛け合いを指導、大いに盛り上がった! 続く『The Secret of my Success』は、発表時にはなんだか売れ線狙いに聴こえたものだけど、こうしてライヴで聴くと、NIGHT RANGERらしいキャッチーな名曲だったことに気付く。ファーストアルバムからの『Eddie’s Comin’ Out Tonight』の見せ場は二人のギタリストのバトル。前回も書いた気がするけど、ケリはグラムメタルバンドにいたイメージが強かったから、ここまでテクニシャンだとは思っていなかったなあ。今年は35周年だとのジャックの言葉に、「去年のことも覚えていない」と返すケリー。二人の会話はいつも掛け合い漫才のよう。そして、ブラッドが「初来日の時に泊まった京王プラザのロビーに1000人ぐらいのファンが集まっていて、まるでビートルズになったような気分だったよ」と回想すれば、すかさずジャックが『Eight Days a Week』を口ずさみ、客席も巻き込んで合唱が始まる。こういうところがベテランならではというか、NIGHT RANGERのライヴの楽しいところ。そして、「エリック(・リーヴィー/Key)は、35年前はまだ2歳で、マンマ、マンマって指をしゃぶってたんだけど、初めて喋った言葉はNIGHT RANGERだったんだよな!」というジャックのジョークに、客席は大爆笑!
新作からのちょっと意外な『Truth』に続いてプレイされたのは、ジャックが在籍していたDAMN YANKEESの『High Enough』。美しいバラードの余韻に浸っていると、ジャックが、「DAMN YANKEESはもういないから、これはもうNIGHT RANGERの曲ね!」と宣言。同意を示すように歓声が上がると、すぐに「あ、言っちゃった!」という表情でおどけるお茶目なジャック。でも、もうそう言ってもいい感じだよね。そして、またしても意外な選曲だった『Forever All Over Again』は、アコースティックでしっとりとプレイ。これも隠れた名曲! 「エリックからのスペシャルギフトだ。エリックが“ココロカラ”弾くよ」と、ジャックにバトンを渡されたエリックがメロウなピアノソロを披露、そのまま『Goodbye』へと繋がった。毎回書いているけど、この曲が俺のフェイヴァリットソング。穏やかで、郷愁を誘う切ないメロディがたまらない。後半のエレクトリックに切り替わるパートでは、ブラッドのギターソロでいつも涙腺がゆるんでしまう……。
こちらも新作から。9日にプレイされましたー!
『When You Close Your Eyes』、『Don’t Tell Me You Love Me』という人気曲の連発でステージも客席も怒涛の盛り上がりを見せ、ライヴ本編は一旦終了。アンコールで登場したメンバーがプレイしたのは、『Passion Play』! これも意外な選曲! ブラッドらしいロングトーンにフィードバックを絡めたプレイに鳥肌が立つ。続く『Touch of Madness』はNIGHT RANGERのハードサイドを代表する名曲だ。2曲を演奏し終えてステージを降りたバンドを、大歓声が呼び戻す。名バラード『Sister Christian』、ケリの8フィンガーズタッピングも飛び出した80年代のハードロックを代表するロックアンセム、『(You Can Still)Rock in America』でライヴは終了……。
たっぷり2時間やったはずなのに、もっともっと聴きたいと思ってしまう、素晴らしいライヴだった! NIGHT RANGERのライヴは、毎回必ず前回よりも楽しい。実は、今回は8日だけの予定だったところを、あまりの楽しさにライヴ後に9日のチケットを購入しちゃったんだけど、9日のライヴはあんなに楽しかった8日のライヴよりも楽しかった! 次もまた3年後だとしたら、そんなに待てないなあ。NIGHT RANGERのライヴを観るためだけにでも、アメリカに住むことを考えちゃいそう……。
※プロ仕様のカメラでなければ撮影可とアナウンスあり(10月9日撮影)
10/8 TOKYO DOME CITY ホール セットリスト
(9日は半分近く曲が入れ替わりました。)
- Somehow Someway
- Four in the Morning
- Sing Me Away
- Rumours in the Air
- Sentimental Street
- High Road
- The Secret of my Success
- Eddie’s Comin’ Out Tonight
- Truth
- High Enough (DAMN YANKEES)
- Forever All Over Again
- Goodbye
- When You Close Your Eyes
- Don’t Tell Me You Love Me –Includes- Highway Star (DEEP PURPLE) 〜 This Boy Needs To Rock
Encore 1
- Passion Play
- Touch of Madness
Encore 2
- Sister Christian
- (You Can Still) Rock in America
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