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第140回 ライヴレポート編JAKE E. LEE’S RED DRAGON CARTEL ―― 25年振りに実現した奇跡の来日公演から、わずか1年でまさかの再来日!(後編)

前置き抜きでいきますよ! 9月15日に行われたJAKE E. LEE’S RED DRAGON CARTEL(以下RDC)のライヴレポート後編です! (前編はこちら

オジー・オズボーンのレア曲のあとは、ダレン・スミス(Vo)が「My favorite Badlands song」と紹介した『Sun Red Sun』。ジェイク・E ・リー(G)も、BADLANDSの曲の中で一番気に入っていると話していたっけ。この曲の現代的でヘヴィなリフはRDCにも通じるものがあるかな。続くRDCの『War Machine』はBLACK SABBATHを彷彿とさせる楽曲で、こちらは70年代的なグルーヴを持っている。ダレンのブルータルなシャウトで曲が終わると、一転して和やかなMCタイム。メンバー同士の会話も多く、仲が良さそうで微笑ましい。パワフルなドラムだけではなく、コーラスでも存在感を示していたヨナス・フェアリー(Ds)が「ダレンが戻ってみんなハッピーかい?」と客席に問うも、他のメンバーの声と被ってしまったせいか反応が鈍く(笑)、ダレンが唖然とした顔をしておどける。今年に入ってからダレンは一度脱退、それを受けたRDCはシンガーのオーディションを兼ねたツアーを敢行。その中にはアマチュアレベルのシンガーもいたからどうなることかと心配していたけど、ダレンが戻って来て本当に良かった。

和やかなMCが終わると、ジェイクとダレンの2人を残し、ヨナスとアンソニー・エスポジート(B)はステージを降りる。そして、ダレンが人差し指で空を指し「レイに贈るよ」とプレイされた『In a Dream』が素晴らしかった! レイ・ギランとはかなりタイプが違うけど、ダレンのソウルフルな歌唱も良い。ダレンのこれまでの本職がドラマー だったことが信じられないほどだ。ジェイクがギターのナットとペグの間をベンドし、ピッチベンダーのような効果を出していたのにも驚いた。他にもやる人がいないわけじゃないけど、フレーズとしてここまで聴かせられるのはジェイクぐらいじゃない? ヨナスとアンソニーがステージに戻り、続く『Rumblin’ Train』ではジェイクの長いギターソロを堪能。この辺の流れは去年と全く同じだけど、ほぼアドリブであろうジェイクのプレイは去年以上に素晴らしかった。ドラムスティックを使ったプレイもユニークで、ギターフリーク以外の人も飽きさせないものだったんじゃないかな。

『War Machine』
今回の日本ツアーの大阪でのライヴ映像。 やっぱりかなりサバスっぽい。

続いてプレイされたのは『Shot in the Dark』! オジー時代のヒットソングに客席から大歓声が起こる。ジェイクが書いた曲ではないし、やらないとも公言していたから、驚いたファンも多かっただろう。何年か前、ジェイクがローカルバンドでこの曲をやっているのをYouTubeで観て、オジー時代とのあまりの落差にショックを受けていただけに、同じ曲を目の前でプレイするジェイクの姿に涙腺が緩んでしまった。そして、過去の曲で盛り上がったあとは現在の曲! RDCの『Feeder』だ。RDCの楽曲には、この曲のようにCDよりもライヴでこそその魅力を発揮する曲が多い。ソロパートが引き伸ばされ、ここでもジェイクが弾きまくる。

続く『Dreams in the Dark』はBADLANDSの人気曲。過去の曲が喜ばれ、観客の目線はほぼジェイクに集まり、ジェイク・コールが沸き起こる中で歌うリードシンガー、ダレンの胸中は複雑だろう。しかし、そんな中でプレイされたこの曲は、誰でも簡単に歌える曲じゃない。ダレンの凄さはこの日の観客に伝わっているはず。それにしても、この曲を生で聴いたのは26年振り! これもジェイク自身はやりたくないって言っていたんだけどね。何か心境の変化があったのか……。

『Shot in the Dark』
80年代のTVショーらしい。 画像が悪いし、ジェイクの顔がまったく見えない……でも生演奏!

意外な選曲が続き、次は何をやるのかと期待する観客を焦らすかのようにアルペジオを奏でるジェイク。そして、ヨナスのカウントともに『Bark at the Moon』のギターリフが炸裂! 切れ味の鋭いリフ、構築美溢れるドラマティックなギターソロ。ジェイクの魅力が凝縮されたこの曲を、ジェイク本人のギターで聴くのはやっぱり格別。そしてなんと、この曲でライヴは終了、アンコールはなし……。時間にして1時間半ぐらいだと思えば極端に短いわけではないけど、もっとやってほしかったなあ。それでも、一人ステージに残り、手が届くかぎりの全てのファンと握手を交わすジェイクの楽しそうな姿を見ていたら、また来てくれただけで満足しておこう、と思い直した。俺の目を見て握手してくれた時には震えちゃったよ。

バンドメンバー全員がとにかく楽しそうだったのが印象的だった。去年よりもバンドには一体感があったし、アンソニーの加入で全体的にルックスが良くなったのも好印象。このメンバーで続けてくれることを期待しているけど、どうなることか……。それでも、前回感じた今回限りかもしれない、という不安感はあまりなかった。RDCの楽曲には現代的なフレイバーがあって、ジェイクが過去の人じゃないことを十二分に証明している。ぜひとも新しいアルバムを作って、また来年も日本に来てほしい!

9/15 渋谷クラブクアトロセットリスト
(9/16も同じ曲で曲順のみ入れ替え)

  1. Ultimate Sin
  2. Wasted
  3. High Wire
  4. Shout it Out
  5. Now You See it (Now You Don’t)
  6. Sun Red Sun
  7. War Machine
  8. In a Dream
  9. Rumblin’ Train
  10. Shot in the Dark
  11. Feeder
  12. Dreams in the Dark
  13. Bark at the Moon
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