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第288回 俺らの音楽編 ―― 極私的オススメ女性ギタリスト

前回、Gacharic Spinのアンジェリーナ1/3のこと書いたところ、友人からGacharic Spinが上手くて驚いた、という声がありまして……そう、彼女たちの演奏技術はすごく高いんですよね。その高度なテクニックで熱血といってもいいほどの熱い楽曲を演奏するのが、彼女たちの大きな魅力。未聴の方はぜひ聴いてみてください! ……さて、今回はそのGacharic Spinにも負けず劣らずの実力を持った、オススメの女性ギタリストをご紹介! 今のこの時代、性別でミュージシャンをわけるのもちょっと違うのかもしれませんが、今は女性のほうがより元気があるというか、ギターヒーローよりもギターヒロイン(?)のほうが多く登場しているのでは、と感じていたりもしています。

まず1人目はLOVEBITESのギタリスト、midori! LOVEBITESにはmidoriとmiyakoの二人のギタリストがいて、二人とも素晴らしいギタリストなんだけど、個人的に、よりおすすめしたいのはmidoriのギター。これまでにも、実力派や技巧派と呼ばれる、高い演奏技術を持った女性ミュージシャンがいなかったわけではないけど、ことヘヴィメタルというジャンルにおいては、少なかったと言わざるを得ない……が、LOVEBITESに関しては、midoriだけでなく、他のメンバーの演奏もテクニカルかつ、信じられないほどパワフル! 知らずに聴くと、女性だけのバンドとは思わないんじゃないか。そして、そのメンバーの中でもとくにmidoriのギタープレイが際立っている。速弾きの正確さは、性別関係なく若手ギタリストの中でも群を抜いていると感じるし、エモーショナルなベンド(チョーキング)とヴィブラートも素晴らしい。速弾きが上手くても、ベンドやヴィブラートが適当なギタリストが多いなか、midoriはそのどちらも完璧だ。それから、ライヴでの彼女のパフォーマンスが実に堂々としていて、貫禄すら感じることも特筆しておきたい。迫力があってカッコいいんだよね。

LOVEBITES 『Glory To The World』
最新ミニアルバムからのクリップ。向かって左側、金髪のギタリストがmidori。LOVEBITESは凄すぎて嬉しくなってしまう

2人目は、ソロアーティストやサポートギタリストとして活躍しているNarumi。Narumiのことを知ったのは、彼女がALDIOUSのサポートをしていた時なんだけど、そのプレイがあまりに凄くて驚いてしまった。ALDIOUSも実力のあるバンドだけども、Narumiのプレイは別次元というか……、それで興味を持って、彼女のソロアルバムを聴いてみたら、これが凄いのなんのって。テクニックをひけらかすように速弾きしまくるといった、メタル系ギタリストにありがちな内容ではなく、プログレッシヴロック的な重厚なサウンドに、メロディアスかつテクニカルなNarumiのギターが縦横無尽に駆け回るという予想外の内容で、おそろしく完成度が高い! トーシン・アバシあたりに通じるような冷たい肌触りの楽曲と、音程差が激しく、浮遊感のある音使い……、テクニックの確かさも含めて、ちょっとこういう女性ギタリストは聴いたことがないなあ。アラン・ホールズワースなんかも好きなのかもしれない。そして、やはりNarumiも、ベンドもヴィブラートも上手い。

Narumi 『Red Rabbit』
ソロアルバムに収録の楽曲。口あんぐり……

3人目は普段の音楽総研には登場しなさそうな、弓木英梨乃! シンガーソングライターとしても活動しつつ、柴咲コウや秦基博のサポートも務めています。彼女のことはYouTubeで偶然見つけるまで知らず、かわいいな、どんなギター弾くんだろ、とさほど期待せずに再生したところ、そのふんわりしたルックスからは想像できないほどのプロフェッショナルなギターに「すんげーな!」と、吹き出してしまった。それから彼女のプロフィールを調べて納得。サポートしたアーティストが凄まじい。柴咲コウ、秦基博、相川七瀬にベッキーまで……、おまけにKIRINJIのメンバーかい(現在は脱退)! 彼女は超一流のギタリストなのでした。俺もたまにサポートでギターを弾くことがあるけど、やるたびに周りのプロフェッショナルなミュージシャン達に圧倒されてしまう。プロミュージシャンの演奏技術が高いのは当たり前で、それに加えて瞬間の対応力が凄まじく高いんだよね。彼女の演奏を聴いていてもそれは感じるし、ギタリストとしてだけでなく、音楽家としての懐の深さが伝わってくる。そして、すごく楽しそうに弾くのもいい! 聴こえてくるギターはえげつないほど凄いんだけど。

弓木英梨乃 『BTS Dynamite – Guitar Cover』
どの動画にしようかかなり迷ったけど、めちゃくちゃ楽しそうに凄まじいギターを弾いているこちらを。このカッティングの鋭さといったら!

さて、4人目はFERN PLANETでギターとヴォーカルを担当していたSERINA。FERN PLANETのことは恥ずかしながら全然知らず、この原稿を書くためにYouTubeであれこれと動画を観ているうちになんとなく再生して、衝撃を受けたんだよね。ほんの数日前のことです。がっつりロックしているリフと、確かなテクニックに裏付けされたギターソロ。こういうガレージロック的なサウンドのバンドは、バッキングはコードストローク主体でソロはちょっとメロディを弾くだけ、しかも下手な人が多い……という偏見を持っていた自分を恥じましたわ。上手いしセンスもあるし、楽曲もクセになる。山口メイ子のベースもぐりぐり弾いていてカッコいい。いいバンドを見つけた! と思っていたら、活動休止しているのか……。ライヴ観てみたかった。

FERN PLANET 『ソルジャーガールズ』
Serinaは全曲の作詞作曲を担当しているそう。この歌声に作曲能力、そしてこのギター……天才だよね。テクニカルギタリスト御用達のSuhrを弾いてるのもびっくり。YouTuberもいいけど、またこのバンドやって!

……もっともっと書きたいこともあるし、紹介したいギタリストもいるけど、今回はこの辺で……。続編、近いうちに書きましょうかね。

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