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第378回 ライヴレポート編 ―― DOLL$BOXX 6年ぶりのライヴを目撃! 『Zepp TOUR 2024-2025“GACHA BOXX”』(前編)

今年で結成15周年を迎えたGacharic Spinと、そのGacharic SpinのメンバーにUnlucky Morpheusやソロなどで活動しているFukiが加わったDOLL$BOXXの2組による『Zepp TOUR 2024-2025“GACHA BOXX”』の初日を観てきました。今回はその1組目、DOLL$BOXXのライヴレポートをお届け!

急に寒さが加速した12月8日、Zepp Hanedaへ行ってきました。個人的に、Zepp Hanedaは東京都内とはいえ自宅からはどうにもアクセスが悪く、どうにも行くのをためらってしまう会場だったんですが、Gacharic Spinだけでなく、ずっと観たい、観たいと熱望していたDOLL$BOXXの6年ぶりのライヴで、しかも指定席だったこともあり(アラフィフにはそこも重要)、即チケットを購入。今回ばかりはスタンディングでも観に行ったと思うけどね。初めて行ったZepp Hanedaは建物自体もかなり新しく、フロアに流れるBGMを聴く限り、音響も良さそうで好印象。ただ、物販が会場の外で、寒空の下で並ぶのはなかなか厳しく、グッズ購入は早々に諦めてしまいましたが。

発売されたばかりのアンジェリーナ1/3エッセイを読みつつ開演を待っていると、ほぼ定刻で客席の照明が消え、大歓声が沸き起こるなか、まずはGacharic Spinの4人、はな(Dr, Vo)、オレオレオナ(Key, Vo)、TOMO-ZO(G)、F チョッパー KOGA(B)が登場。そして最後にFuki(Vo)が登場すると歓声が一層大きくなった。オープニングは力強いコーラスから始まる『Take My Chance』だ。この曲に衝撃を受けてDOLL$BOXXのファンになった身としては、いきなりクライマックスが来てしまいちょっと呆然としてしまったけど、音源以上に力強く、伸びやかなFukiの歌声とタイトな4人の演奏に大感激して、続く『monopoly』ではもう涙腺が緩んでしまった。『ロールプレイング・ライフ』ではライヴ映像で観たように兵隊の行進っぽいアクションが加わり、客席もそれにならう。……それにしても、Fukiの凛とした佇まいの美しいこと! 黒を基調にフリルのついたアンティークなドレスを身にまとった姿はまるでゴシックドールかフランス人形かのようで、迫力のある歌声はもちろん、そのパフォーマンスにもすっかり魅了されてしまった。

『Take My Chance』

怒涛のように3曲をプレイし終えると、Fukiがマイクを通さずに「ただいまー!」と叫ぶ。凄い声量! そのよく通る声は1階席の真ん中あたりにいた俺にはもちろん聞こえたけど、2階席の後ろのほうまでしっかりと届いたのではないだろうか。客席からは「おかえりー!」と大歓声が上がった。そしてMVと同じようにメンバーたちの人形風のパントマイムも登場した『おもちゃの兵隊』、冒頭のオレオの歌声が素晴らしい『Dragonet』をプレイ。そう、このバンドはGacharic Spinと同様に、Fukiだけでなく、オレオとはなの歌声も堪能できる。そしてGacharic Spinとは違い、少しクールなメンバーたちが観られるのもまた、このバンドの魅力だ(オレオはあとでアンジーにいじられていたけど)。

『おもちゃの兵隊』

歌詞に合わせて会場中がタオルを振り回し大いに盛り上がった『Merrily High Go Round』、メタリックなリフの『Sub-liminal』ではTOMO-ZOのギタープレイが光った。Gacharic SpinよりもHR/HMに寄ったサウンドは彼女の本来の姿とは少し違うのかもしれないけど、いつもよりハードな演奏のTOMO-ZOもまたいい! ギターがTOMO-ZO一人だったこともあるのか、かなりギターの音量が大きめだったのも個人的には好印象。そしてはなの『Sub-liminal』でのラップや『Loud Twin Stars』のハーモニー……、激しいドラムプレイだけでも凄いのに、なんで同時にあんなことが出来るんだろう、といつも驚いてしまう。そういえば俺がGacharic Spinのライヴを観に行くようになったのは、はながギターにコンバートしてからだったので、ライヴを通してドラムを叩くはなを観るのは初めて。これまでに観た何人もの女性ドラマーの中でも断トツで迫力があるし、性別なんか関係なくカッコいい!

続くゴリゴリのリフがこれまた迫力満点の『Shout Down』ではKOGAのドライヴするベースが印象的だった。バキバキのスラップが彼女の大きな個性ではあるけど、彼女の魅力は決してそれだけではない。Gacharic Spin同様、DOLL$BOXXでもKOGAのプレイが他のバンドとの違いを際立たせているように思う。そして『KARAKURI TOWN』、『世界はきっと愛を知ってるんだ』でDOLL$BOXXのセットは終了。時間にして1時間半ほどだったと思うけど、あっという間に終わってしまったという印象。名バラード『Doll’s Box』が聴けなかったのも残念……。とはいえ、6年ぶりのライヴとはとても思えないバンドの一体感と、Gacharic Spinとはまた違うDOLL$BOXXならではの魅力は十分に堪能できたし、もう観られないと思っていたDOLL$BOXXのライヴが観られて大感激でした。メンバーによるとDOLL$BOXXは「解散も活動休止もしていなくて、たまにやる」というスタンスらしいので、その“たまに”をもっと短いスパンにしてほしいと思った俺でした。次はまた6年後、なんてことにはならないことを祈ります! 新曲もぜひ!

『世界はきっと愛を知ってるんだ』

そして、今年の音楽総研は今回が最後です。新年1発目は1月7日に更新の予定で、ライヴレポート後編、Gacharic Spinが登場します! お楽しみにー!

(文中敬称略)

『Zepp TOUR 2024-2025“GACHA BOXX”』 at Zepp Haneda Set List

DOLL$BOXX

  1. Take My Chance
  2. monopoly
  3. ロールプレイング・ライフ
  4. おもちゃの兵隊
  5. Dragonet
  6. Merrily High Go Round
  7. Sub-liminal     
  8. Loud Twin Stars
  9. Shout Down
  10. KARAKURI TOWN
  11. 世界はきっと愛を知ってるんだ


※ikkieのバンド、Antlionのシングルがリリースされました!
ストリーミング&ダウンロードはこちらから
https://linkco.re/vPZ00Quz?lang=ja

※ikkieのYouTubeチャンネルです!
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