1. HOME
  2. エンタメ
  3. ikkieの音楽総研
  4. 第105回 洋楽編 WHITESNAKE ―― ダグ・アルドリッチ脱退からのWHITESNAKEギタリスト考
ikkieの音楽総研

第105回 洋楽編 WHITESNAKE ―― ダグ・アルドリッチ脱退からのWHITESNAKEギタリスト考

前回、元WHITESNAKEのエイドリアン・ヴァンデンバーグが復活したことを書いたら、なんとWHITESNAKEの現在のギタリスト、ダグ・アルドリッチの脱退をデイヴィッド・カヴァデールがツイッターで発表した。まさかエイドリアンをバンドに戻すために、というわけではないだろうけど、このタイミングはちょっと怪しい……。WHITESNAKEのメンバーチェンジはもう恒例になっていて、またか、って感じでもあるんだけどね。そんなわけで、今回はWHITESNAKEのメンバーチェンジについて取り上げます。特にギタリストに焦点を当てて書いてみますよう。

デビュー時のラインナップ

WHITESNAKEはDEEP PURPLEの解散後、デイヴィッドのソロプロジェクトとしてスタートしています。始まりがそんなだから、メンバーチェンジが頻発するのも致し方ないのかもしれないね。必ずパーマネントメンバーがいるとはいえ、実は「デイヴィッドとバンド」という認識でいたほうがいいのです。初期の頃はちゃんとバンドっぽかったと思うんだけど、メンバーを全員解雇したりした辺りからデイヴィッドのワンマンバンド的な色合いが濃くなっていったように思う。デイヴィッドは(決して悪い意味ではなく)計算高い人だから、その時代ごとに時流に合った人選をしているようにも見えるし……。

WHITESNAKEはもともとブルーズをベースにしたハードロックバンド。結成から80年代半ばまで在籍したミッキー・ムーディとバーニー・マースデンの二人のギタリストはまさにそういうスタイルで、バーニーの後任のメル・ギャレーもブルージーな渋い曲を作るギタリストだった。でも、ミッキーの代わりにTHIN LIZZYなどで活動していたジョン・サイクスが加入してからはブルーズ色は薄くなり、ジョンのメタリックなギターサウンドを前面に出すようになる。当時はHR/HMの一大ムーブメントが起こり始めていて、ジョン加入前のブルージーなサウンドは、良質ではあっても、時代遅れにもなりかねなかった。ジョンを手に入れたデイヴィッドは、これで最新式のHR /HMがやれる! と思ったんじゃないか。あるいはそれをやるためにジョンを入れたか……。事実、ジョン加入後に発表されたアルバムはそれまでのWHITESNAKEとは違うモダンで洗練されたサウンドで、空前の大ヒットを記録する。前作とのあまりの違いに驚きはしたけど、捨て曲なしのこのアルバムは今でも俺のお気に入り。ただし、ジョンを含む当時のメンバーはアルバム発表前に脱退、ツアーにはHR/HM界のオールスターキャストが集められた。

『Love Ain’t No Stranger』
デイヴィッド&メル・ギャレー作の名曲をブロンドの貴公子、ジョン・サイクスのギターで。ドラムはコージー・パウエル! エイドリアンの引退後、次の再結成に参加したのは当時DIOにいたダグ・アルドリッチと、WINGERのレブ・ビーチ。2人ともアメリカ人だし、加入当初はどうにも合わない気がしたけど、考えてみれば昔からWHITESNAKEっぽいバンドをやっていたダグはこれ以上ないぐらいの人選で、レブも文句なしの実力者かつバンドのスタイルに合ったギターが弾ける人。また有名人だったけど、時にシンガーより重要な存在になるギタリストだもの。今さら無名の新人は入れられないんだろうね。新しい曲はこれぞWHITESNAKE!というサウンドで、ミッキーとバーニー以外じゃ一番良い組み合わせだと思ってたんだけど、ダグは脱退するのか…

※ ikkieがなんと「出張ギター教室」を始めてしまいました!とにかくアクセス! 動画もあるよん。http://dokodemoguitar.com