カナダアイスクライミング―1―
2時間車を走らせる間、1軒たりとも民家もなく、わずかにトイレスポットが2ヵ所あるだけ、ましてやコンビニなど一度として見かけたためしはなかった。長大に連なるロッキー山脈の山々に抱かれるように豊かに広がる広大な大地。いたるところに聳える岩峰から驚嘆するスケールの氷瀑が「さあ登れ!」とばかりにきらめいている。
その筆舌に尽くしがたい光景は、それでも毎日見ていると慣れっこになってしまうほど贅沢で、素晴らしいカナダアイスクライミングデイ6日間ではあった。
例え、期せずしてクライミング最終日の最後の最後に今シーズンの私のアイスの幕引きになってしまったにせよ、ワンダホ&ビユティホなカナダライフに何ほどの影を落とすものではなかった。
って…
何のことかは、お話しが「最終日の最後の最後」までお待ちくださいませ〜
2016年2月23日:移動
長いわ〜
成田→バンクーバー(空路)→カルガリー(空路)→レイクルイーズイン(車)の行程、なんやかやでトランジットの待ちも入れると20時間から上を要したことになる。
2016年2月24日:ハフナークリークHalhner Creek
初めてのリアルミックス。チョー嬉しい!!
アプローチからわくわくが止まらない。谷筋を歩いて、岩の間から氷が見えてくると、もうドキドキだー!
残念ながらM7もM6もノーテンでは行けなかった。たくさんのクライマーが登った痕跡露わでアックス跡がはっきりそれとわかるほどにえぐれているとはいえ、そこは氷とはわけが違う。当然ながら岩にアックスが刺さったりはしない。これと思しきスポットにピック先を置いたら、左右ぶらさず、重心を真っ直ぐ下にかける。すなわち脇を締めて垂直に引く。それを少しでも違えるとアックスは外れてしまう。
M6はアンダーあり、リアルミックスならではのトルキングありで、なかなかに面白かった。
私的にはもう1日、ハーフナーでミックスやドライ体験をしたかった。ドライが上達するということはすなわち、アックスの引き方に熟達するということであり、ひいては氷のクライミングの精度を上げることにつながると感じたからだ。
しかしながら、周辺には恐ろしいほどにスケールのhuge&largな氷瀑が散在している。とても同じスポットを再訪する時間はなかろうとひとりごちした。