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平山ユージ ―― 2020年東京オリンピック・スポーツクライミング応援シリーズ―5―

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小玉:スピードが強い国は、ロシアや中国ですよね。でもそのスピードの強い選手って、スピードに特化した選手で、ボルダーもリードもあんまり、ただ速いという…。
平山:スペシャリストですよね。

小玉:蜘蛛のようにね。どうなるんですかね。3種総合というのは?
平山:選手にとっては難しい。もうすぐどういう形で採点するのかが決まるようです。それによって、どこに競技の重きを置くのか決まってくるでしょう。

小玉:採点方法とか設定とかは、IOCの方たちと日本の方たちと、どういう風な形で…、
平山:たぶん、IFの方で、いろんな意見を集めて、12月に選手を交えて、意見交換をした上で決議されて、正式には2017年の3月とも言われています。IFで決まったものをIOCに上げることになるでしょうね。

小玉:採点方法とか決まって、選手たちもどういう風に強化していくかという線が見えてくるということですか?
平山:そうです。今後のプランが決まっていくのは3月以降ですね。3種目全部得意というのは難しいでしょうね。その採点方法にもよりますけど、どこに重きを置いて強化していくのか…

小玉:種目別の評価はないんですね。
平山:今回はないと思います。
小玉:しかも男女二人ずつ。
平山:男女一人ずつだと思います。
小玉:厳しい!
平山:詳しくは分からないです。その辺も3月に決まると思います。男子20人女子20人という枠の中で、どういう形で選考していくのか決まっていない形です。クライミング全体で40人という枠です。狭き門です。

2020年のその先にもオリンピッククライミングは続いて行く!クライミング界の未来は明るい!!

小玉:2020年は手始めで、様々に受容しなければならない状況は仕方ないとして、2020年以降の展望となると、最終的には体操みたいに種目別があって、総合もあってという形になっていくんでしょうか?
平山:選手はみんなそれを望んでいますよね。

小玉:で、オリンピックでクライミングは東京だけだった。その後消えたということではなくて、継続されていくという…。
平山:東京での成功が継続の鍵になると思います。その先の単種目への可能性が一気に広がると思います。

小玉:競技会場は決まってるのですか?
平山:決まっていると思いますが、僕は知らないんです。お台場の方かなとは聞いています。
小玉:外なんですか?
平山:そうですね。
小玉:雨が降ったら大変ですね。
平山:熱いですし、雨が降ったら大変です。でもみんなイコールコンディションだという流れですよね。

小玉:オーディエンスも雨が降ったら傘をさすんですかね。
平山:僕、個人の考えでは室内でやって欲しいですよね。

小玉:外だとオーディエンスは熱中症になっちゃいますよね。
平山:この間の組織委員会でのプレゼンを見ていると、いろんな考え方が入ってくるので、その中での落としどころみたいなところで会場も選ばれていくのでしょう。

Base Camp 入間店にて

小玉:どっかの体育館のバレーとかの競技が終わった後に空くわけですよね、それをこういう風に壁を持ってきて作るくらいなんてことないですよね。
平山:いろんな考え方があって、この競技と一緒にやろうとか。そういう話があるのではないですかね。

小玉:観に行きたいけど、炎天下じゃ嫌だなー。
平山:覚悟して行くしか。でも多少考えるんでしょうね。夕方とかナイターとか。
小玉:そうしたら今度は蚊取り線香を持っていかなくちゃ。
平山:8月、外でやるということはそういう無茶な感じなんでしょうね。
小玉:日本の夏は案外厳しいですよね。問題が山積みですね。
平山:自分の登りも、後数年やりたいと思っています。結構、流されている感はありますが…

小玉:この間、おケガされる前にフェイスブックに書いてらした。目から鱗だって。「新しい自分を見てしまった」と…。
平山:若い子たちが発見するほどの勢いはないと思いますので。さっき子供たちに「自分の物差しを」って言ったんですけど、自分の中での物差しでいうと、進化は永遠にできるわけで、その中でクライミングというのは一番中心にあります。

小玉:この間クリス・シャーマさんがいらした時におっしゃってましたけど、その人その人の課題に真摯であれという。それができるからクライミングは素晴らしいんですよね。
平山:そうですね。でも人間は動物だし、みんなとの競争、それもいいじゃないですか。後は、誰もやった事のない壁を登るとか、まったく新しいアイデアで開拓をしていくとか、それもいいです。アイディア次第でいくらでも広がりを持てるのがクライミングだと思います。

小玉:私なんかは、ミディの南壁では最後の方、くたくたになっちゃって、「3分の2にしましたから上がろうとだけしてください」と、ついに荷物になって荷揚げしてもらいました。でもレビュファさんが打たれた60年前の楔がまだ残ってたんですよ。感動しました。
平山:シャモニーですね?

小玉:ロープウェイでエギュ・ド・ミディへ上がって、反対側の雪稜をバレ・ブランシェへ降り回り込んで基部から突き上げていくのですが、クラック大会で、ルンゼのとこに細いのがあって、どうやって良いか分からなくって、仕方なくステミングして、どんどんクラックから離れていって、ますます何しているかわからなくなって…。
平山:いいですね。僕も行きたいな。