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野中生萌 ―― 2020年東京オリンピック・スポーツクライミング応援シリーズ―1―

VIVA ASOBIST, スポーツ

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スポーツクライミングがオリンピック追加種目として最終承認されてから早3年が経ち、2020年東京開催まで1年を残すのみになりました。TVその他、各メディアの注目度は日に日に増し、社会の認知度は高まり、クライミングがオリンピック種目になっていることは既に周知のこととなりました。 しかしながら世界初となるこの試みの中で課題山積の現状は否めない様相です。選手たちもまた難問を抱えながらも雄々しく立ち向かい、研鑽の日々を送っていることでしょう。 来る2020年東京五輪の選手陣の華々しい活躍に大いに期待し、大会におけるクライミング種目が成功を納め、クライミングワールドが広く世界に受け入れられることで拓けるであろうクライミング界の輝かしい未来に希望をつなぐものであります。 「VIVA ASOBIST」では「2020年東京オリンピック・スポーツクライミング応援シリーズ」と題し、日々研鑽を重ね続けるスポーツクライミングの選手やその周辺に焦点をあてて、ここに皆様にご紹介いたします。

プロフィール


野中 生萌(のなか みほう)
フリークライマー
1997年(平成9年)東京生まれ。

主な戦績
2014年6月:IFSCクライミングワールドカップ ラヴァル・フランス 2位
2014年10月:IFSCアジアユース選手権 ロンボク・インドネシア 優勝
2015年6月:IFSCクライミングワールドカップ 重慶・中国 2位
2015年11月:IFSCクライミングアジア選手権 寧波・中国 優勝
2015年12月:IFSCクライミングアジアユース選手権 プトラジャヤ・マレーシア 優勝
2016年1月:第11回ボルダリングジャパンカップ 2016 埼玉県加須市 3位

2016年1月末、埼玉県加須市で開催されたBJC・ボルダリング・ジャパンカップの決勝戦。野中選手は一際エネルギッシュなクライミングで会場を沸かせ、新年度初戦を飾る3位を射落とした。文字通り「春から縁起がいい」のに乗じて次々と展開されるクライミングシーンでの活躍が大いに期待されるところだ。

「好きな食べ物は肉!」9歳から始めたクライミング。音楽や体操、バレエも好きだったけれど、やっぱりクライミングが一番好きになった。クライミングを真ん中に置いて進路も決定した。もりもり肉を食べながら、大好きなクライミングを続けてきたら、気が付けばクライミングに最適な身体に仕上がった。
従来のクライマーにはない、見るからにパワフルなボディーはバレエや体操で培った柔軟性と、音楽で身に着いたテンポとリズム感を秘めて驚嘆の域に達している。その開花したクライミングの花は2020年は最も熟達の極みに達するに違いない!

花開いた2014年!アジアユース優勝、そして2015年アジア選手権優勝!!

小玉:2014年のフランスでのワールドカップでNo.2だったと聞いています。その時の気持ちは?
野中:ワールドカップ初出場で、1年目だったので、ワールドカップがどういうものかわからなかったし、その状況の中で挑戦という気持ちで出たので、2位という結果が出たことは、嬉しかったですけど、驚きましたね。がむしゃらに登った。登れて、「やったーっ!」というのを、4課題繰り返して、嬉しいけどびっくりしました。

2015年6月 IFSCクライミングワールドカップ 重慶・中国 表彰台上で

小玉:結果的には何本だったんですか?
野中:4課題中3完したんです。「途中までは、1位だったんだよっ」て周りからいわれて、自分では競技中に何位とか考えていなかったので、びっくりしました。

*2014年6月、フランス・ラヴァルで行われたボルダリング・ワールドカップ最終戦で4年ぶり3回目の世界の女王に輝いた野口啓代選手に続いて野中生萌選手が銀メダルを獲得した。

小玉:2014年の10月のアジアユース選手権ではついにやりましたね。
野中:ワールドカップでも成績を出せて、その年でのアジア選手権だったので、実力を出せば優勝できることもわかっていたので、そういうプレッシャーの中で優勝できたのが嬉しかったです。

小玉:4完はたったひとり?
野中:気持ちよかったです。

小玉:その時の感想は?
野中:アジア選手権なので、アジアの人しかいないですし、その中での優勝の可能性はあると思ってはいました。

小玉:韓国とか強いでしょ?
野中:そうです。韓国の選手と一対一といった感じの状況で勝てたのは良かったです。

小玉:国内でも参戦されましたか?
野中:BJC(ボルダリング・ジャパン・カップ)です。国内の一番大きな大会で、今まで良い成績を残したことがなくて、それが日本代表を決める大会なので、いつもギリギリで残って、という状況なので次はちゃんと成績を残したいなと思います。

小玉:そうすると、アジア選手権の時も、ギリギリ残ってしかも初出場でいきなり優勝ですか?
野中:そうですね。
小玉:すごいですね。初めて出て行って勝ってしまうというのは。

2015年6月 IFSCクライミングワールドカップ 重慶・中国 競技中の野中選手

*アジアユース選手権:2014年10月、インドネシア、ロンボク島でリード、ボルダリング、スピードの3種目が実施された。連日30度を超える猛暑と炎天の下、アジアの12の国と地域から延べ178名の選手がエントリー。日本からは6名の選手が、男女合わせて5種目にエントリーした。女子ボルダリングでは、決勝出場6名中5名が4完登(全完登)という接戦の中、野中生萌選手は4完4撃で4完5撃のサ・ソル(韓国)を退けて優勝。3位から5位までは4完6撃で並んだ。