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野中生萌 ―― 2020年東京オリンピック・スポーツクライミング応援シリーズ―1―

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更なる飛躍のためのに!距離と高さへの挑戦!!!

小玉:特別な筋トレを積むというより、ずっと小学校の時からクライミングに継続的に集中してきたことによって、クライミング、ボルダリングに必要な筋肉だけ自然と付いてきたということなのですね。
野中:そうです。

小玉:バレエも体幹のひとつを支えているし、吹奏楽は肺活量に貢献している。
野中:たとえば吹奏楽は長時間集中したり、クライミングの際に自分なりのテンポやリズムを作り出すのに役立っている気がします。

小玉:やって来た色々なことが全て、クライミングに向かってプラスに働いていることでしょうかね。
野中:そうです。なんにでもプラスに考えてます。

小玉:162cmというのは、海外の選手にくらべると小さい方ですか?
野中:小さいです。

小玉:そうすると海外の大会などは大きい選手を想定していて、野中さんや日本選手にとってはホールドが遠いと感じることが多いですか?
野中:遠いですね。国内でやる課題は、あまり遠いと思うことはありませんが、ワールドカップなど海外の大会では距離感を感じることもありました。

小玉:距離感はやはり今後の課題になってきますか?
野中:そうですね。遠いというと、飛ぶ。飛んだ先の悪いホールドを保持しなければならない。保持力を増すためのトレーニングも考えなければなりませんね。

小玉:国によってホールドの種類や質の違いなどはありますか?
野中:大会で出すホールドは、流行があります。

小玉:三角形のボテばかりたくさんついていたり、丸いのばかりだったり、その会場によって、違うんですね。
野中:その時々に流行っているものが使われます。

小玉:今の流行は、どんな感じですか?
野中:去年とかは、すごいフラット、黒いボテ、スロッパーのような大きいホールドが、ばんばん付いてる大会が多かったです。「またか!」って感じでした。

小玉:保持するのが大変ですよね。
野中:保持するというより、支えながら登っていく。

小玉:その流行も5年後はどうなってるかわからないですよね。
野中:わからないですね。

小玉:どういうふうにも対応していかないといけない。基本的には遠いのを攻略していく。
野中:ぜったい日本人は距離が一番困るところなので、距離が出せると、そこが強みになる。

小玉:登り続けてきて、肉をいっぱい食べて、背中がそうなった!?
野中:そうです(笑)

Rock&Wall青山店にて

小玉:オフはよく映画を観られるとか。
野中:はい。

小玉:後は、どんな感じですかね、オフって。
野中:ひたすら家でごろごろ(笑)ふだん動いているので動かない方が多いですね。

小玉:それはそうですよね。一週間のうちはどんな感じのサイクルですか?
野中:クライミング週3。家でトレーニングが週2で、後2日は、レストだったり、なんか用事が入ったり…。

小玉:家トレって、インナーマッスル系ですか?
野中:はい。後は体幹。

小玉:柔軟性って大事ですよね。
野中:大事です。

小玉:いつも感心しています。ものすごいハイステップで、手に足(手のところに足を置く)して、足に乗り込んで上がって行かれますよね。あの態勢からよく力が入りますよね。柔軟性とバネ、強靭さと柔らかさと、両極が備わってこその技量です。
それと…ウチのジムのキャッチフレーズは、「ボルダリングとは、頭とからだで解くパズルだ」といっていいますが、そう思われます?
野中:思います。かなり頭使います。オブザベーションでその場で考えてたことが行ってみると違ったりするので、その場で考えて登らないといけないこともあります。

小玉:国内のボルダリングジムと比較すると世界の試合の壁は天井高がかなり高いでしょ?
野中:はい。

小玉:そうすると上の方のホールドって、オブザベーション段階で、どこらへん掴めばいいか、行ってみないとわからない?
野中:知らないホールドは、やはりそうなります。それより壁が高いと、上に行くにも疲れますし、上で落ちるととても疲れるんです。そこが大変です。日本だとその高さはそんなにないので。

小玉:これからの参戦予定とか日程はどういうふうに考えてますか?
野中:2016年は、BJCとか、大きい大会に出て、ワールドカップが始まると、次々と試合が続くので大変です。
小玉:オリンピックもですけど、今後のますますのご活躍を期待しています。本日はありがとうございました。

来る3月にThe North Face Cup、日本選手権(リード)、4月にはワールドカップ(スイス、日本、中国)など、既に決定している野中選手の2016年参戦日程はもとより、今後の野中選手の活躍から目が離せないところだ。

写真提供:日本山岳協会(撮影_星多賀子)