小武芽生 ―― 2020年東京オリンピック・スポーツクライミング応援シリーズ―6―
小玉:試合会場でチョークの粉が舞っていて空気が吸えないような気がする。呼吸法も大事だという話しを聞いたことがあります。
小武:息止めたらなにもできない。
小玉:でも、止めるでしょ?
小武:たまに止めちゃいます。力み過ぎると息を止めちゃって降りた時に、「息してなかった」って感じになるので。
小玉:ハーハーゼーゼーですよね。
小武:それをしないように心がけています。
小玉:自分なりのメンタルコントロールの方法はありますか?
小武:松岡修造さんが大好きで、大会前にCCレモンのCMを聴いています。最近、会ったんです。写真も撮りましたよ(笑)。
小玉:3種混合、複合になったんですけど、今までスピードクライミングって日本は縁がなかったですよね。
小武:去年になってスピードの壁が出来たんですけど、それまでは、
小玉:どこにできたんでしたっけ?
小武:岐阜の安芸津や明治大学に。私は5年前に海外の合宿でやったくらいです。
小玉:ルートが決まっていて…
小武:それをいかに速く登るかです。
小玉:決定のルートはずっと同じなんですか?
小武:ずっと一緒です。なので、反復練習が大切です。
小玉:将来的にずっと3種混合、複合っていうのは改変されないんでしょうか?
小武:多分、最初なので、これからはメダルの数も増えていって種目ごとになっていくと思います。実際、他のいろんな競技も別れてますし。
小玉:選手層も違ってきますよね。3種混合って言われちゃうと、スピードの強い選手ってめっちゃくちゃ強いじゃないですか。
小武:でもスピードの強い選手って、他がダメだから。
小玉:世界の上位20位までが出場権取得という条件の中では、スピードに特化した選手は出場権取得そのものが難しい。種目別、個人、総合とか団体とか体操のような感じになっていくのがいいのでしょうか。
小武:そうなることをみんな願ってます。協会もいずれはそうしたいと。
小玉:2020年を越えた次のオリンピックの時も正式種目で残ると思いますか?
小武:東京の次はフランスになる可能性が、今のところ高いと聞きます。となるとフランスもクライミングがポピュラーなので、種目として残るのではないかと思っています。
白玉とわらびもちと睡眠とクライミング!
もちもち感がたまらない!
ふわふわに癒される!!
小玉:次はプライベートなことをお聞きします。白玉がお好きとか。添加物が気になって、だったら「自分で作ればいい」となったと。
小武:ある時、食品、お菓子にもいろいろな成分が入っていることに気が付いたんです。着色料、保存料、それらが入っているものが美味しく感じられなくなってしまって、そうであれば自分で作ればいい、余計なものが入らないし、カロリーは同じだし、と思って、自分でお菓子を作って食べるようになりました。
小玉:白玉のどこが好きなのですか?
小武:もちもちしているところ。
小玉:いろんなバージョンで試されましたか?
小武:いろいろしました。みそ汁に入れたり。白玉は何にでも合います。
小玉:へー?!そうですね、すいとんがあるくらいだからね。とりわけ何が?
小武:黒ゴマやきな粉をかけたり。ニョッキみたいな感じでグラタンにしたり。ゴマを混ぜたのが一番美味しかったです。
小玉:ご飯のメニューは何が好きですか?
小武:芋が好きです。さつまいも。大学芋とか、自分でスライスして揚げて、サツマイモチップスを作ります。カレーとかも。嫌いなのは酸っぱいものくらいです。
小玉:お肉と魚は?
小武:両方好きですけど、意識して魚を食べるようにしています。
小玉:肉肉肉肉野菜肉方式ですか?
小武:野菜も好きです。そういう学校なので。1日350gちゃんと摂ろうと思っています。
小玉:クライマーは肉好きな人多いですよね?
小武:そうですね。
小玉:パンプした体の後の…
小武:30分以内にタンパク質を摂る。
小玉:プロテインは?
小武:摂りません。牛乳を飲んだりはします。
小玉:日常の食生活で気を付けていることはありますか?
小武:食べ過ぎないこと。野菜をしっかり摂ること。食事によって体が疲れやすくなったり、肌が荒れたりもありますから、お菓子のかわりにナッツを食べたり、ドライフルーツを食べたりします。
小玉:他になにか好きなものは?うさぎちゃんとか?
小武:知ってますね(笑)。実家にウサギがいるんです。「わらびもち」って名前です。動物が好きです。
小玉:大学の話に戻りますがクライミングとの両立で工夫していることはありますか?
小武:遠征以外は絶対学校に行きます。
小玉:国内の試合は土日が多いですか?
小武:そうですね。頑張って帰ってきて翌日目を擦りながら行きます。
小玉:年にどのくらい休めますか?
小武:4回まで。月金が休むことになります。前期4回後期4回。
小玉:来年卒業したら海外の試合も全部参戦できますね。そういう意味でも卒業は楽しみですね。
小武:そうですね。
小玉:大変な思いをしてクライミングを続ける原動力はなんですか?
小武:単純にクライミングが好きだから。大会の楽しさが独特で。極度の緊張感と集中の中でいかに力を発揮するか、発揮できたときは泣きそうになるくらい嬉しい。それを1回味わうと、次も頑張ろうと思います。学校に行くことを決めたのは自分ですし、そこはちゃんとして卒業して、それから何年かはクライミング1本でやっていくつもりです。