小武芽生 ―― 2020年東京オリンピック・スポーツクライミング応援シリーズ―6―
小玉:セッション方式で準決くらいまでは、選手同士なんかオブザベしながら、「あれはどうするの?」など、話しながら相談していますね。それは不思議な光景に映ります。
小武:敵同士なのにお互い教え合う感じですよね。それもクライミングの良さです。
小玉:決勝は1課題目で決まらなかった場合は、ラウンド2があるんですか?
小武:ノースフェイスカップですか?ノースフェイスカップは独特でサドンデスで人数がどんどん減っていって、普通のW杯とかは最後まで登ります。1課題を3人完登してもう3人登れないとしても同等に2課題目にトライできます。だから逆にチャンスがあります。
小玉:ふだんほっとする時は?
小武:寝る時。寝るの早いんです。
小玉:何時間くらい練習するんですか?
小武:基本的に平日は6時間ですね。
小玉:練習頻度は週5?
小武:最近は週4回に減りましたね。子供のころと違って体の作りも変わってきましたので、怪我が心配です。プラスいろいろトレーニングをします。
小玉:クライミング以外の筋トレや体幹トレーニングも?
小武:はい、します。
小玉:他の2日は、何をしていますか?
小武:学校が遅い日をレストにします。
小玉:「ご飯食べてテレビ観て寝よう」って?
小武:テレビないんです。「のんびりストレッチして早めに寝よう」って感じです。
小玉:リードもボルダリングもやってらっしゃいますが、どちらが得意でどちらが苦手とかありますか?
小武:両方好きです。ボルダリングの方は身長の面で不利なところはあります。海外の選手は大きいので。
小玉:身長差、リーチ差が影響しますか?
小武:でも、それをどう補っていくかが課題です。
小玉:リード、ボルダリングで得意な傾向はありますか?パワー系とかスラブ系とか?
小武:スラブとか垂壁とか、じわじわいく壁が得意なので、リードは得意も不得意もないです。遠いホールドが出てくるとちょっと嫌ですね。
小玉:苦手なのをどうこなすかという工夫は?
小武:ともあくん(楢崎智亜選手)は男子では大きい方じゃないけど、身長の違う弟のめいちくん(楢崎明智選手)と一緒に登っていると、とり足が結構旨いんですよ。それを見て研究したりします。
小玉:身長が違うと登り方も違ってきますね。
小武:リードだと、韓国のキム・ジョイン選手は私とまったく同じ身長なので参考にしています。
小玉:リーチ差をカバーする一番大事なことはなんですか?
小武:今、探しています。肩など怪我もしちゃったので、登り方も考えていかないといけないと思っています。
小玉:肩はどうされましたか?
小武:国体前に怪我して出られなくなりました。
小玉:リカバーするのにどれくらいかかりましたか?
小武:6週間です。クライミングできませんでした。
小玉:膝は?
小武:去年の8月31日。合宿でやっちゃったんです。世界選手権の前。ヒールの掛け方がへたくそで。
小玉:足首からガキっと決まってる感じだった?
小武:単純に力を一気に入れた瞬間にポキってなっちゃった。
小玉:自分の力で?うわーッ!それは完治するのにどれくらいかかったんですか?
小武:1ヶ月くらいかかりました。今も完全に戻っているわけじゃないです。治している途中です。
小玉:いつだったかジムでお見かけした時に片足で登ってらしたのでビックリしました。
小玉:怪我などに気を付けて頑張ってください。本日はありがとうございました。