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第303回 ライヴレポート編 NEMOPHILA ―― It’s sooooo nice to finally meet you! NEMOPHILA快進撃の始まりを目撃!(前編)

あそびすと読者の皆様、謹賀新年でございます! 新年早々、またしてもコロナウイルスの感染者数が増えていて心配事は尽きませんが……、出来るかぎりの感染対策をして、乗り切っていきましょう! さて、2022年の音楽総研初めは、1月9日にLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で行われたNEMOPHILAのライヴレポートです……が、コロナやその他もろもろの事情によりチケット購入を逡巡していたらあっという間にソールドアウト、残念ながら会場へは行けず、配信での同時視聴です。しかし、名のあるメンバーが集まったバンドだとはいえ、先月インディーズでファーストアルバムを発売したばかりのバンドがキャパ2000人弱の渋公を完売させるとは……。

※セットリストなどのネタバレを含みます。気になる方は、配信中のアーカイヴ をご覧になってからお読みください。

ライヴは18時開演予定、配信視聴の俺も30分ほど前からPCモニターの前で待機。定刻間近になると会場後方からステージを映した画面に切り替わり、カウントダウンが始まった。会場にいるのと同じくらいドキドキする! 時折映る客席は3階席まで観客がぎっしりだ。俺も行きたかったなあ……。18時5分ごろになると会場が暗転、SEが流れ出す。SEはそのまま『鬼灯』のヘヴィなリフに繋がり、ステージを覆った白いスクリーン越しにメンバー5人の姿が大きく映しだされる。mayu(Vo)のスクリームとともにスクリーンが落ち、メンバーが登場! 思わず出てしまった、という感じの歓声が画面越しに聞こえたものの、それはほんの一瞬で、すぐに大きな拍手に変わる。これ、コロナ禍じゃなければ大歓声、というシーンだったはず。

『雷霆-RAITEI-』
この疾走感! リフがカッコいい……!!

mayu、SAKI(G)、葉月(G)、ハラグチサン(B)、むらたたむ(Dr)の5人のメンバーは『REVIVE』のMVで着ていた衣装を身に纏っている。メンバーの存在感は渋公の大きなステージにも負けていない! サウンドバランスは完璧で、mayuのヴォーカルも、2本のギター、ベースの細かいフレーズ、ドラムのハイハットやタム回しまでもがきちんと聞き取れるし、重さも迫力もある。まあ、さすがに会場にはかなわないだろうけど、それぞれの音がクリアに聞こえるという意味では配信も負けていないのでは。曲がサビにさしかかるとステージ前方に設置されたお立ち台にフロントの4人が立つ。後方からもよく見えるだろうし、小柄な女性メンバーのバンドにはいい演出だ。

『鬼灯』、『雷霆-RAITEI-』と、オープニングからヘヴィな2曲で飛ばしたあとに、「こーんにーちはー!」とM1チャンピオンの錦鯉風の挨拶で一気に脱力、さっそく地獄のゆるふわバンドの面目躍如(?)。ゆるふわMCと、続いた和風でヘヴィなシャッフル『SORAI』とのギャップ! この曲は間奏のアレンジが素晴らしい。間髪入れずに続いて披露されたのは、ユーロビート風とでも言えばいいのか、少々異色な『Night Flight』。mayuのハスキーなヴォーカルが、ポップなメロディをより引き立たせる。イントロで一瞬ギターのチューニングが狂ったようだったけど、歌が入るころにはすぐに修正。メンバーは悔しいだろうけど、ライヴだからね。大きな問題じゃない。揃って右を向いたり左を向いたりのフォーメーション、パラパラをもっとゆっくりにしたような振付がかわいい。続く『Breaking Out』では、たむとmayuでヴォーカルを分け合う。たむのクリアな歌唱のせいか、スピーディでヘヴィなアレンジながらも歌謡ロック的な雰囲気に。

『Night Flight』
昨年の6月に行われた配信ライヴから。 初めて聴いた時は、このユーロビートっぽいアレンジに「えー……」ってなっちゃったけど、気が付いたらクセになって何回もリピートしています

「今日はNEMOPHILA、REVIVE It’s sooooo nice to finally meet you(やーっと会えたね! って、ニュアンスかな)というイベントで……」というmayuのMC。soの長さに彼女たちの喜びがこもっている気がした。ゆるふわなメンバー紹介から、アルバムタイトルトラックの『REVIVE』。ブルータルな演奏に合わせて火柱が立ち上る! その華奢な容姿からは想像ができないほどのヘヴィなたむのドラムが素晴らしい。続く『Blooming』ではハラグチサンのキュートなヴォーカルも聴ける。ハラグチサンはYouTubeなどを見るかぎりではシャイでおとなしそうな雰囲気なのに、ライヴパフォーマンスは激しいし、魅せることも心得ているように思う。そしてなにより、演奏そのものが想像していた以上に素晴らしい! NEMOPHILA以前から実力派として知られたSAKIやたむ、葉月にも引けを取らないほど。

そのハラグチサンとたむのヘヴィなリフから『Fighter』がスタート。間に挟まれた各メンバーのソロパートでは『猫ふんじゃった』を弾いてみたりと、ユーモアも忘れない。そして中央のお立ち台に仁王立ちしたハラグチさんのスラップからSAKI作曲の『Rollin’ Rollin’』へ。先日、SAKIが長年参加していたMary’s Bloodが無期限の活動休止を発表したのには驚いたけど、それでNEMOPHILAでのSAKI曲が増えるのであれば、そちらに期待したい……。SAKIはその佇まいやフレージングに昔ながらのギターヒーロー然としたオーラがあり、とにかく華がある。メンバー全員が魅力的であるのは疑いようもないけど、SAKIの纏うスケールの大きさが、始まったばかりのこのバンドを一回りも二回りも大きく見せている……ように思うのは、俺の贔屓目だろうか。

『Blooming』
同じく昨年の配信ライヴから。ハラちゃんのヴォーカルかわいい(笑)

……怒涛のごとき激しいセットリストで盛り上がっているライヴですが、今回はここまで。後編は1月25日に掲載予定です!

(本文敬称略)

※ikkieのYouTubeチャンネルです!
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