小武芽生 ―― 2020年東京オリンピック・スポーツクライミング応援シリーズ―6―
小玉:2016年の中国のW杯。4位でしたっけ?
小武:その時は最高記録。決勝に行けたことがなかったので、嬉しかったです。トライ回数で負けて表彰台まで後一歩だったんです。今年リベンジです。
小玉:アジア選手権は中国でしたっけ?リードは5位でボルダリングは6位。
小武:ホールドも独特でした。ヨーロッパなどではよくあるタイプではなく中国独自のホールドしか使われてないので、持った感じが全然違う。独特です。
小玉:見たことがない初めてのホールドで分からないときはどうしますか?ボルダリングは何回かトライできますね。ただ制限時間が気になりますね。
小武:北海道は限られたメーカーのホールドしかなくて、全国大会では全部初めて見るホールドだったりしたので中国の時も抵抗感はそんなになかったです。国際大会でもっとも印象深いもののひとつでした。
2020オリンピックを目指して
クライミングを取り巻く環境も
どんどん進化していってほしい!
小玉:2020年のオリンピックについてお聞きします。追加種目に8種目選ばれて、その中から5種に絞り込まれ他時にクライミング入っていると耳にしたのは何時どこで?
小武:ニュースです。軽い気持ちで見ていたら、本格的になりそうになってきて、「ついにクライミングも有名なスポーツと同等に見られてる」と思うと嬉しかったですね。
小玉:自宅でテレビニュースで正式種目になったと報道されているのを目にした時は、「やっぱり」という感じでしたか?
小武:選考方法とかまだわからないので、自分がどうなるか。
小玉:発表から時間が経って来て、だんだん社会もクライミングに対して目が向いて、盛り上がってきました。時間経過で自分と2020年オリンピックの関連についての見方は変わってきましたか?
小武:今はリードとボルダーと両方同じ立場にいるので、それだけ見るとチャンスはあると感じています。スピードも加わりますが、選手の選考方法が分からないので、とりあえず目の前のW杯に向けて頑張っています。
小玉:オリンピックに関する詳細は3月に決まるということでしたが、どうなんでしょうね。先日小武さん他若手選手にマイナビ(株式会社 マイナビ)がサポートついたと公開されましたが、 選手を取り囲む状況がどういうふうになっていくといいと思いますか?
小武:数年前までは、W杯で優勝してもそれだけでは食べていけない状況だったんですけど、今は大会にau( KDDI株式会社)さんとか、三井(三井不動産株式会社)さんなどスポンサーがサポートについてくれて、それだけでスポーツ選手らしく生きていけますね。これからも増えていくと思いますが、それが逆に選手の活動に制限がかけられる要素にはなってほしくないです。クライミングってもともと自由なスポーツなので、外岩登ったり、室内で登ったり、そういった環境が整っていったらいいなと思います。
小玉:W杯全戦出ようと思うと費用がかかりますね。
小武:自己負担です。
小玉:渡航費用とか滞在費用も含め、チームジャパンとしての参加という形になればいいのではないかという気もします。チームジャパンにサポートが付くスタイル。
小武:昔と比べたら補助も出てますけど、トップだけに集中してしまって、その下には回ってこないですね。
小玉:監督とかコーチ、トレーナーとか、競技を続ける上で必要な環境がありますね。試合が続けば疲労するし、勝ち上がっていけば筋肉疲労したり痛めたりもします。そういう時には適切な対応が必要です。
小武:そこら辺はまだ発展していないです。勉強している栄養学、栄養士さんももちろんいないですし、体のケアをしてくれる人も毎回はいないです。監督はいてもトレーナーはいません。日本はまだ海外に比べると遅れていますね。
小玉:メンタルトレーナーも必要ですね。
小武:スロベニアのコーチが合宿で講義をしてくださって、メンタルが成績の55%に反映するっと。20%が才能で、後は努力。クライミングは気持ちが関係するスポーツだと。