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第352回 俺らの音楽編 THE BEATLES ―― ビートルズ愛があふれる珠玉のカヴァー演奏

前回、前々回とライヴレポートが続いたのであえて触れずにいたんですが、ikkieの音楽総研の連載が、なんと350回を超えました。……もうそんなになりますか。我ながらよく続けているなと思いつつ、これもひとえにいつも好きなように書かせてくれるあそびすと編集部と、読んでくださる皆様のおかげです。ありがとうございます! 400回、500回と続けていけるようがんばりますので、引き続き応援よろしくお願いします! さて、今回の音楽総研はちょっと趣向を変えまして、先ごろ最後の新曲が発表されて話題になったTHE BEATLES……ではなく、他のアーティストがカヴァーしたTHE BEATLESの曲を文字数の許す限りご紹介。解散して50年以上が経つというのに、いまだにこうして話題になるTHE BEATLES……、当然のことながら、THE BEATLESのことを愛してやまないミュージシャンも星の数ほどいるわけで、カヴァーソングもたくさん存在するわけですよ。今回はそんな中でも、とくに俺が気に入っているカヴァーや、この人がビートルズ? という意外なカヴァーを紹介してみようかと思っておりますよう。

In My Life』 オジー・オズボーン
まずは意外なところから。ヘヴィメタルの帝王にして、プリンス・オブ・ダークネスの異名を持つオジー・オズボーンですが、オジーのファンなら彼がビートルズの大ファンだということを知っている人も多いんじゃないかな。オジーの楽曲がどんなにヘヴィでもメロディがキャッチーなのは、ビートルズの影響が少なからずあるんだと思う。そして、このカヴァーが意外なほどハマっています。

『In My Life』 Ozzy Osbourne

Every Little Thing』 YES
さて、続いてはプログレッシヴロックの代表的なバンド、YESのカヴァーです。いやもう、カヴァーするならこれくらいやれ、というお手本のようなアレンジ。イントロから緊張感のある楽器隊のインタープレイが炸裂して実にYESらしいし、ジョン・アンダーソンの歌声が入るともはやYESのオリジナルにしか聴こえない。ただ、当然ながらオリジナルへのリスペクトは大いに感じるし、歌が入ってから何度も繰り返されるブレイクは原曲のアレンジを強調していってこうなったんじゃないかな、なんて想像もしています。数あるビートルズのカヴァーの中で、これがいちばん好きかもしれないなあ。

『Every Little Thing』 YES

Day Tripper』 WHITESNAKE
続いてWHITESNAKEの『Day Tripper』。彼らのファーストフルアルバムに収録されているカヴァーです。オリジナルは軽快なロックンロールだったのに対し、重いグルーヴのブルーズロックに仕上がっていて、これまたWHITESNAKEのオリジナルのように聴こえる。ちなみに当時のメンバーのジョン・ロードは、DEEP PURPLEで『Help!』をカヴァーしているんだけど……、個人的には微妙なんだよなあ。リッチー・ブラックモアが弾くビートルズはなかなか貴重だとは思うけど。

『Day Tripper』 WHITESNAKE

With a Little Help from My Friends』 BON JOVI
90年代に行われたMTVのライヴで披露されたカヴァー。オリジナルのほんわかとしたムードはどこへやらだけど、これはジョー・コッカーのカヴァーを下敷きにしていて、いわばカヴァーのカヴァー。でもね、これ凄くいい演奏だと思うのでぜひ聴いてみてください。ジョン・ボン・ジョヴィの声によく合っているし、他のメンバーとのハーモニーも素晴らしい。そして何よりティコ・トーレスのドラム! 弾むようなビートがたまらないっす。

『With a Little Help from My Friends』 BON JOVI

Strawberry Fields Forever』 Todd Rundgren
まだまだありますよう! 続いてはトッド・ラングレン。これは先に紹介しているカヴァーとは違い、オリジナルに近づけようとした“コピー”と呼んでもいいようなカヴァーです。トッドはこの曲が大好きで、同じように演奏してみたかったんじゃないかなあ。再現っぷりが凄くて、歌が入るところなんか思わずニヤニヤしちゃう。

『Strawberry Fields Forever』 Todd Rundgren

You’ve Got to Hide Your Love Away』 ENUFF Z’NUFF
続いては、個人的に「ビートルズのカヴァーといえばこのバンド」なENUFF Z’NUFF。当時のシンガーのドニー・ヴィーはいわゆるジョン・レノン声をしていて、他にもジョンの『Jealous Guy』なんかをカヴァーしているんだけど、もう、ハマり過ぎてて、ジョンのカヴァーだけでアルバム出してほしいくらい。ちなみにドニー脱退後にはビートルズのメンバー関連だけのカヴァーアルバムを出していて、そちらはポール・マッカートニーの曲が多め。

『You’ve Got to Hide Your Love Away』 ENUFF Z’NUFF

Ob-La-Di, Ob-La-Da』 EARTHSHAKER
そして当然、我らが日本のアーティストもたくさんビートルズをカヴァーしております。どのカヴァーを紹介しようかかなり迷ったんだけど、これもバンドのオリジナルか、ってくらいばっちりハマっているEARTHSHAKERのカヴァーを。松任谷由実や加藤和彦、忌野清志郎などの錚々たるアーティストが参加したビートルズのカヴァーアルム『抱きしめたい』に収録されています(1988年リリース)。EARTHSHAKERにかかると、この曲もこんなにカッコいいハードロックになっちゃうんだねえ。

『Ob-La-Di, Ob-La-Da』 EARTHSHAKER

さて、まだまだ紹介したいカヴァーがたくさんあるんですが、残念ながら今回はこの辺でおしまい。どのカヴァーもオリジナルへの愛があふれていて、聴いていてとても幸せな気分になります。なりませんか。……しかし、これ書いていてめちゃくちゃ楽しかったからまたやろう。そして、なんだか自分でも演ってみたくなってきました! どの曲をやろうかなあ。