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戸田萌希 ―― 2020年東京オリンピック・スポーツクライミング応援シリーズ―2―

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コンペ初戦。負けた悔しさで号泣!会場中に鳴き声を響き渡らせた小学3年生

小玉:初めてのコンペは?
戸田:最初は、小3の時にノースフェースカップ。

小玉:へ〜、クライミング始めたのが6歳なのに、9歳くらい?
戸田:それまで、ずっとコンペに出てなくて、県内でこもってて、県外に行ったこともなくて。小3になって、やっとコンペに出ました。
小玉:何年前?
戸田:8年くらい。

小玉:まだ、ベースキャンプはできてなかったですよね。ノースフェースカップはどこで開催されたんですか?
戸田:ストーンマジック。よく憶えてないんですけど(笑)…
小玉:その時は、アクティバで予選とかじゃなかったんですか?
戸田:ストーンマジック(神奈川県相模原市)で、予選から決勝まででした。

小玉:今は、すごい人数でしょ?
戸田:そうですね。今は予選大会もしっかりあって。
小玉:地方予選も入れるとすごい人数。
戸田:観客もどんどん増えて。

小玉:ディビジョンも分けもたくさんあって。観るだけでも大変。で、どうでしたか?
戸田:予選で1位タイで通過できた。準決勝で1点差で4位になっちゃって。決勝は3位までだったので。ギリ出られませんでした。その時に、ものすごく悔しくて大泣きしたんです。母が言うには会場全体に鳴き声が響き渡っていて、何言っても泣き止まず、一緒に来てたジムのみんなも困り果てたと聞きました。
それから、悔しい思いがあってもコンペは楽しいと思えるようになって、参戦するようになりました。

ボルダリング・ジャパンカップ(埼玉県加須市)で競技中の戸田選手

小玉:今まで、いろいろな大会に出ている中で印象に残っている大会は?
戸田:BJCの、表彰台で2位になれた。深谷市。
小玉:なぜ?
戸田:それまでのBJCは、準決勝までで決勝に行けたことがなかったのですが、深谷の時も準決勝も良い登りはできなかったにもかかわらず、結果みたらギリギリで決勝に行けてた。その時点ですごく嬉しかった。
準決勝終わった後に、この登りじゃ決勝は厳しいと思っていたので、その時点で泣いしまいました。
決勝は、「ここまで来たら出来ることを精一杯やればいい、ぎりぎり6位で滑り込んだのだから、これ以上順位が下がることもないし」と自分に言い聞かせて課題に臨みました。そしたら、まさかの2位。正直、今でもその結果が信じられなくて。

小玉:課題はどれだけ登ったの?
戸田:決勝は4本です。その内、1課題目を一撃できたのが、たぶん一番大きい勝因だったと思います。ゆるい傾斜だったんですけど、飛びつきました。
3課題目も飛びつき系。両手でぱっと飛びつきました。自分の好きなムーブだった。課題を進める過程でマイナスのイメージがなくて、自分の登りが良く出ていた。登っていても楽しかったし、結果も良くて嬉しかったです。

小玉:楽しいでしょうね〜。経験ないけど(笑)
オリンピックですが、東京オリンピックの正式種目はおそらくIOCでも承認が下りると推測されますが、それについてどう思いますか?
戸田:もっともっとクライミング界が盛り上がって、どんどん人口が増えて来て、さらにメジャーなスポーツになっていくのではないかと思います。それに伴ってどんどん下の世代が成長してきて、上もいっぱいいるのに、下からも突き上げがスゴイんだろうなと。その流れに負けないように、気を引き締めてがんばっていきたと思います。

あっという間の4年間。でも国内戦、国際戦たくさん参戦して、強い自分を作りたい!

小玉:後、4年ですが、たぶんあっという間でしょうが、過ごし方によっては、どういうふうに凝縮させていくかが命題だと思いますが、どんなふうに?
戸田:オリンピックはもちろん、正式種目になったら出たいし、出るからにはてっぺん目指したいと思います。でも、オリンピックだけが自分の全部ではない。その4年間では、ワールドカップもたくさん参戦したい。目の前の大会に集中して成長していけば、自然にもっと強い自分になれると思います。

2015年8月ミュンヘンで開催のBWCボルダリングワールドカップで競技中の戸田選手
2015年8月ミュンヘンで開催のBWCボルダリングワールドカップ集合写真

小玉:ワールドカップなど、世界大会では日本選手が大活躍していますね。日本TVメディアは、まだそこを中継するところまではいってないから、それは、やってもらいたいですよね。そうするとお茶の間のおばあちゃまたちも、「今日は萌希ちゃんが出るから」と言ったりして(笑)。そうなってくれたら嬉しいですね。4年後で21歳。楽しみです。
戸田:ちょうど、年齢的にも。