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戸田萌希 ―― 2020年東京オリンピック・スポーツクライミング応援シリーズ―2―

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小玉:お茶の間のおばあちゃまたちもクライミングを知っているところまで周知されて、それで人口も増え、キッズもたくさん増えて、という状況がやってきそうな期待が広がりますね。
戸田:クライミングをやる側も良い練習場所ができるでしょう。現在は国内にはないスピードの練習場所も整備されたり、もっとクライミングをする環境が、これを機会に整っていけばいいですね。人口が増えて、岩場に行く人も増えて、そこが増えてもマナーが守れるような登り方が出来ればいいなと思います。

瑞牆 エンドロール 二段を登る戸田さん
某エリアの初段を登る戸田さん

小玉:ちびっ子クライマーも増えると想定されるわけですが、キッズたちになにかアドバイスを!
戸田:自分の得意な、好きなスタイルでクライミングを楽しく自由に登るのがいいと思います。やはり楽しむことが一番です。自分も始めたころは、必ずしも真剣に登ってはなくて、ジムの中を走り回ったり、気が向いたら登るみたいな感じでした。今ではそれが良かったかなと思います。嫌にならずにここまで来れました。

小玉:オリンピックではどうやらスピードとロープ、ボルダーの3種目の総合点で順位を決める、と言われているようですが。
戸田:ボルダーが好きで、リードは大会前じゃないと練習しないので、3種目やるとなると今から…、大変です。できれば、ボルダーだけでオリンピックに出られたらいいんですけど。

小玉:進出種目枠で動員数が制限があるらしいです。選手村の受け入れ態勢の問題や予算もあるのかもしれないですけど。その種目の特性を考えた枠どりをしてほしいですね。スピードは練習場所すら少ない。
戸田:日本だとそうですね。明治大学くらいしか、ちゃんとした壁はないですね。日本では、ほとんどスピードは普及してないですね。
インドとか中国ではかなりいますが、日本は今からですから大変です。

小玉:ボルダー強い人はリードも強いでしょうけど、なにせ高さと長いルートですから、要求される持久力や粘りが格段に大きいでしょうね。
戸田:そうですね、登り方もそれぞれに対応しないと。ある程度、ボルダーもリードも出来る選手もいれば、ボルダーは凄いけどリードはそうでもないなど、様々です。私はリードはそんなに強くないので。3種目混合となれば、両方頑張るしかないですね。

小玉:ジュニアオリンピックで3位になっていらっしゃいます。
戸田:リードですね。
小玉:そうそうボルダーの方が得意とおっしゃる割にはリードでいい戦績を残している。
戸田:そうですね、リードの方が安定した順位をとれています。3位までの選手が毎回、あまり変わらなくて、残りふたりが千葉のふたり。千葉ってリードが盛んなんですけど。なかなかそのふたりが越せなくて。でも、リードは集中しては大会前しか練習しないので調整もできていなかった割には成績が残せたので、結果的にはまずまず満足しました。

小玉:ルートは、どんな感じでした?
戸田:いつも決勝というと壁がふたつあって、ひとつの壁を上までいったら、次の壁に渡るんですよ。自分、その壁を渡れたことがなくて、いつか渡りたいなと思っています。持久力がまだ足りていないので…。
小玉:オブサベどうですか?上の方は見えないですよね。
戸田:確かに。アイソ入ったら、あんまり憶えてないとか、緊張で記憶が飛び飛びになったり、ひとつわからないところがあると、そこにばかり集中して、後のところが見られなかったり、オブサベはリードは難しいですね。練習をしているピラニアも、7mしかなくって、どうしても動きの難しさでグレードを稼ごうとしているから、ボルダーチックな動きになるので、なかなかうまく練習ができない。もっと経験を積んでムーブの読み方もうまくならないといけないと思っています。

*オブザベ:オブザベーション observation前出
*アイソ:アイソレーションエリア isolation area  クライミングコンペでの、選手の隔離場所。公平を期すため他選手のトライを見るのが許されない。

Rock&Wall青山店にて